2023 Fiscal Year Research-status Report
アディポネクチンによる椎間板変性・炎症に対する治療法の開発
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23K08588
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
張 鍾穎 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (00824195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由留部 崇 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10514648)
角谷 賢一朗 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (10533739)
武岡 由樹 神戸大学, 医学研究科, 特命助教 (30943592)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 椎間板変性 / アディポネクチン / アディポロン / 抗炎症 |
Outline of Annual Research Achievements |
椎間板変性は腰痛の主な原因の一つである。アディポネクチンは脂肪細胞から分泌されるアディポサイトカインの一つであり、抗炎症作用を有すると報告されている。また、アディポネクチンはAdipoR1やAdipoR2といった受容体に結合してその作用を発揮し、それら受容体の発現量が増強するとアディポネクチンの作用も増強することが報告されている。我々は過去にアディポネクチン受容体アゴニストであるアディポロンを用いてアディポネクチンが椎間板の炎症や変性へ及ぼす影響を調査し、アディポロンは細胞外基質異化因子や炎症性サイトカインの発現低下を通して椎間板変性進行の防止や予防に有用な可能性を報告した。アディポネクチンの臨床応用を目指し、今回はまず始めにアディポネクチン受容体アゴニストであるアディポロンの作用機序を明らかにするための実験を行うこととした。脊椎手術を施行された20~70歳代14例のヒト椎間板細胞を培養して6グループ(Control群: C群、アディポロン投与群: A群、IL-1β投与群: I群、アディポロン+IL-1β投与群: A+I群、アディポロン+IL-1β+AdipoR1 SiRNA投与群: A+I+R1 Si群、アディポロン+IL-1β+AdipoR2 SiRNA投与群: A+I+R2 Si群)に分け、細胞外基質代謝や炎症性サイトカインへの影響や炎症経路のタンパク発現をRT-PCR,蛍光免疫染色、Western Blotting法を用いて調査することを計画した。RT-PCR法でTNF-α、IL-6、MMP-13、ADAMTS-4についてI群とA+I群間では有意に発現低下を認めたが、A+I群とA+I+R1 Si群やA+I+R2 Si群の間には有意差は認めていない。蛍光免疫染色とWestern Blotting法でも同様の結果となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アディポネクチン受容体アゴニストで経口投与可能なアディポロンは臨床応用がよりしやすいと考えており、椎間板変性や抗炎症作用の作用機序を検討するにあたってin vitroの実験データが不足していると考え、まずアディポロンを用いたin vitro実験を計画し実験中であるが満足できる結果が得られていない。今後、使用試薬や実験手技の見直し、再検討、最適化などを行っていく方針である。
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Strategy for Future Research Activity |
in vitro実験で満足がいく結果が得られなければ動物実験に進むことはできないと考えており、使用試薬の再検討や実験手技の見直し・最適化などを行い、in vitro実験で満足のいく結果が得られた後に動物実験を行いたいと考えている。動物実験ではコントロール椎間板、椎間板変性を惹起した椎間板、椎間板変性を惹起した椎間板にアディポロンを注射投与したもの、椎間板変性を惹起した椎間板にアディポロンとAdipo R1 SiRNAやAdipoR2 SiRNAを注射投与したもの、をそれぞれ作成し、X線検査、MRI検査、組織学的評価、RNAやタンパクレベルでの炎症性サイトカインや細胞外基質同化・異化因子の評価を行うことで、アディポロンを用いたアディポネクチンの椎間板における変性や炎症への作用機序をより明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究を計画し行っていく中で満足のいく成果が得られておらず、使用試薬の選定や実験手法、条件の最適化や見直しを行っている最中であり、当初の計画より実験の進捗が遅れていることに伴い予定していた実験の年度内完了が困難となった。適切に見直した後、遅れている実験を進めるためにその未使用額をあてたいと考えている。
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