2023 Fiscal Year Research-status Report
びまん性特発性骨増殖症における疫学調査と血清biomarker探索
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23K08603
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
千葉 紀之 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (20633978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 簡一郎 弘前大学, 医学部附属病院, 准教授 (20431447)
浅利 享 弘前大学, 医学研究科, 客員研究員 (40529674)
石橋 恭之 弘前大学, 医学研究科, 教授 (80292142)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | びまん性特発性骨増殖症 / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
びまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletal hyperostosis、DISH)は、脊柱靱帯骨化によって脊柱可撓性を失い、軽微な外力でも脊椎脊髄損傷を来しやすい。脊椎脊髄損傷の症例では、有効な薬物療法はなく、高侵襲の手術治療が必要となる。骨化進行予防に関しては効果的な治療薬の報告はなく、その病態も含め不明な点が多い。これまで様々な脊椎疾患の研究を行ってきたが、地域住民を対象としたDISHの検討は、他のコホート研究を含め、十分な検討が行われていない。本研究では、DISHに関連する生活習慣ならびに生活習慣病、社会生活環境を明らかとし、さらに発症や進行に関連するバイオマーカーを探索する。本研究を発展させることで、DISHの外傷ならびに発症、進行の予防法を確立することができる。2023年に地域一般住民を対象として頚椎、胸椎、腰椎のX線側面像を撮像し、DISHの有病率の解析を行なっている。今後はDISH発生の危険因子解析には多岐にわたる調査項目(血液検査や整形外科項目など)に関連する危険因子の検出を行い基礎データとする。DISHにおける骨化進行予測に有用なbiomarker探索のためには、DISHとその重症度の関連をANOVAや線形回帰分析を行い、さらにCox hazard回帰モデルなどを用いて進行度予測が可能か検証していく。上記解析結果をまとめて、学会発表および海外英文雑誌に投稿する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2023年に地域一般住民を対象として頚椎、胸椎、腰椎のX線側面像を撮像し、DISHの有病率の解析を行なっているが、X線の撮影枚数が膨大なため、解析に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
全脊椎X線側面像からDISHの年代別の有病率、分布、特徴を明らかとし、生化学血液検査との関連を検討する。関連するマーカーがDISHのバイオマーカーとなりうるか検討する。 また弘前大学に搬送されたDISHを伴った脊椎外傷例の解析も行い、地域一般住民とのDISHの形態状の違いを明らかにする。
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Causes of Carryover |
今年度は画像解析に時間を要したため、学会発表に伴う旅費が生じなかった。 次年度は画像解析結果と血液検査項目との関連を検討し、その結果を国内および海外学会で公表するため、旅費に使用する見込みである。また研究成果をまとめた論文を海外雑誌に投稿を予定している。その費用に使用する見込みである。
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