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2023 Fiscal Year Research-status Report

全身性免疫システムによる神経障害性疼痛の制御機構

Research Project

Project/Area Number 23K08606
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

里 貴史  東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (10969851)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 齋藤 琢  東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (30456107)
寺島 明日香  東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (30596937)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords神経障害性疼痛 / 間葉系幹細胞 / 全身性免疫システム
Outline of Annual Research Achievements

神経障害性疼痛は体性感覚神経系の病変や疾患によって引き起こされる疼痛であるが、現状の手術や薬物療法では改善しないことも少なくない。神経障害性疼痛には慢性炎症が深く関わり、ミクログリアなど神経組織に常在する免疫系細胞が関与することから、全身性免疫システムによる神経障害性疼痛の制御機構の解明に取り組んでいる。
我々は間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cell; MSC)を用いた変形性関節症の治療研究を行う中で、MSCの免疫調整作用、組織修復作用が関節の恒常性維持に貢献することを見出した。そのためMSC投与による全身性免疫システムの変化が神経障害性疼痛の病態を修飾する可能性に注目し、MSCを手がかりにして神経障害性疼痛の病態解明を進めている。
まず神経障害性疼痛モデルマウスとしてL5神経根結紮モデルマウスを独自に作成した。次に神経障害性疼痛モデルマウスにMSCの静脈内投与を行い、疼痛関連行動解析を行った。具体的にはvon Frey testによるアロディニアの評価、およびPlantar testによる温度覚に対する疼痛閾値の評価を行い、いずれの評価方法でもMSC投与により疼痛関連行動が改善することを明らかにした。そして静脈内投与したMSCのトラッキング、MSC投与前後での障害神経部の組織学的解析とBulk RNA-Seq解析、脾臓を摘出した神経障害性疼痛モデルマウスでの疼痛関連行動解析などを行うことで、MSCが神経障害性疼痛を軽快する作用機序において脾臓が重要性な役割を果たすことを示唆するデータが得られた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

これまでのところ、神経障害性疼痛モデルマウスに静脈内投与したMSCのトラッキング、MSC非投与の神経障害性疼痛モデルマウスの組織学的解析と発現解析、MSC投与後の神経障害性疼痛モデルマウスの組織学的解析と発現解析、MSC投与/非投与の神経障害性疼痛モデルマウスにおける脾摘の影響の解析を実施しており、概ね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

今後は脾臓におけるBulk RNA-Seqや、主要組織(脊髄後角、後根神経節、脾臓、リンパ節など)のSingle cell RNA-seqを行い、pathway解析や trajectory解析を行うことで、循環型免疫細胞の神経組織への移行や、循環型免疫細胞と神経組織内在性免疫細胞、さらには外因性MSCと循環型免疫細胞/神経組織内在性免疫細胞との相互作用を推定する。

Causes of Carryover

おおむね順調に研究が進んでいるが、必要以上に経費をかけずに済んだ。
次年度以降の経費のかさむ実験・解析に使用する計画である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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