2023 Fiscal Year Research-status Report
天然化合物を基盤とした新規変形性関節症疼痛治療シーズの創出
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23K08617
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
井上 玄 北里大学, 医学部, 准教授 (80594209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内田 健太郎 北里大学, 医学部, 講師 (50547578)
上岡 麗子 北里大学, 海洋生命科学部, 講師 (30592365)
稲橋 佑起 北里大学, 感染制御科学府, 准教授 (70645522)
渡辺 豪 北里大学, 未来工学部, 教授 (80547076)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / 創薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症の創薬シーズの探索を目的として、大村天然化合物ライブラリーの滑膜細胞に対する抗炎症作用を検討した。滑膜細胞株SW982にTNF-α および大村天然化合物ライブラリー内の726化合物を添加した。ELISA法を用いて培養上清中のIL-6 濃度を測定した。細胞毒性試験には、LDH assayを用いた。 また、細胞毒性が低く、IL-6産生抑制が認められた化合物に関しては、qPCR、ELISAを用いてIL-1β1, IL-6, IL-8 産生抑制効果を検討した。726化合物中, 30化合物に炎症性サイトカインの抑制効果が確認された。特にメデルマイシンは高い抗炎症作用を示した。qPCRでは、メデルマイシンはTNF-α単独群と比較してIL-6, IL-8, IL-1β発現の有意な低下を認め、各炎症性サイトカインはメデルマイシン濃度に依存して抑制されていた。ELIZAでも同様に濃度依存性に各炎症性サイトカインの産生抑制が認められた。さらに、RNA-SeqとWestern blotting で作用機序検討した結果、メデルマイシンによる抗炎症作用の一端にNF-kBのリン酸化抑制が関与している可能性が示唆された。滑膜の炎症は変形性関節症の病態に関与する。そのため、炎症性サイトカイン抑制効果を有するメデルマイシンは, 変形性関節症の治療において有用な可能性がある。現在、メデルマイシンの誘導体を作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、大村天然化合物ライブラリーからOA治療シーズとなり得る化合物を発掘し、その作用機序を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
メデルマイシンの誘導体作製により化合物リードの創出を行う。
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Causes of Carryover |
高活性誘導体の作製に遅れが生じたため、次年度使用額が生じた。来年度の活性評価時に使用する。
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Research Products
(3 results)