2023 Fiscal Year Research-status Report
日本人の骨格と生活様式に適した人工膝関節の開発と臨床応用に向けた動態解析
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23K08619
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
中島 新 東邦大学, 医学部, 准教授 (60583995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 晃一 東邦大学, 医学部, 教授 (30400823)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 人工膝関節 / 日本人 / 骨格形状 / 動態解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は本研究計画の1年目であり、研究計画の内、「日本人の下肢CTデータに基づいた 3D 画像構築と膝関節解剖学的ジオメトリーの解析」については予定通り計測を終了した。本邦患者の下肢CT(男女各50膝)を対象とした。大腿骨3D画像を構築後、上科軸を基準として10°毎に切断面を作成し、各切断面における内顆、外顆の近似円のradiusを計測し、最下点をプロットした。また、各切断面の最下点のプロットを矢状面に投影した後、5点近似円(40°円弧)のradiusを計測し、その中心をプロットした。さらに各切断面における上顆軸からのjoint lineの傾斜角を計測した。切断面ML方向のradiusは、内側は20-22mmでほぼ一定であったが、外側は屈曲に従って減少した。各断面における顆部最下点間距離は30°面で最大となった。矢状面radiusは0-20°では外側が内側よりも大きく、内側は30°以降で緩徐に減少した。矢状面radiusの中心は伸展~中間屈曲位では上顆軸の上・前方にあったが、屈曲に従って下・後方へ移動した。SEAからのjoint lineの傾斜角は30°で最小(0.7°)、90°で最大(3.2°)となった。「コンピューターシミュレーションによる動態解析」についても形状の異なるインサートを設定して解析を終了した。「トライアルインプラントを用いた術中ナビゲーション下の動態解析」については学内の倫理委員会に申請中であり、承認が下り次第、研究を開始する。術中に使用予定のトライアルインプラントは一般医療機器のクラスIとしてPMDAに届出を済ませ、いつでも使用可能な状態にある。 なお、英文論文は5編(corresponding author 1編、共著者4編)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の内、「トライアルインプラントを用いた術中ナビゲーション下の動態解析」については学内の倫理申請が遅れてしまい、データを取得できなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の内、「トライアルインプラントを用いた術中ナビゲーション下の動態解析」については、倫理委員会の承認が下り次第、研究を開始する。術中に使用予定のトライアルインプラントは一般医療機器のクラスIとしてPMDAに届出を済ませており、準備に問題はない。インサートの形状による膝関節のキネマティクスの違いについてナビゲーションシステムにより解析する。
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Causes of Carryover |
本研究計画の倫理申請が遅れてしまったことにより、手術中に使用予定であったトライアルインプラントが使われなかったことが次年度使用額が生じた主な理由と考えられる。本研究計画は現在、倫理審査中であり、承認が下り次第、速やかにトライアルインプラントを作成し、研究に使用する。
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Research Products
(9 results)