2023 Fiscal Year Research-status Report
Fundamental research for the application of effective combination therapy of sarcomatoid kidney cancer to bone and soft tissue sarcoma
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23K08696
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
浦川 浩 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (60584753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 国大 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院講師 (40732657)
酒井 智久 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40821971)
小池 宏 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (80846080)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 骨軟部肉腫 / 肉腫様腎癌 / 血管新生阻害薬 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 細胞外マトリクス |
Outline of Annual Research Achievements |
骨軟部肉腫に対する新規薬剤開発は、その希少性から困難を伴う。肉腫様変化を伴う腎細胞癌(肉腫様腎癌)は腎癌の4-5%に生じるとされ、これまで実施された腎癌の第3相試験において、PD-1抗体とCTLA-4抗体の併用療法、又はPD-1/PD-L1抗体と血管新生阻害剤の併用療法の肉腫様腎癌への有効性が部分集団解析で評価されている。肉腫様腎癌に対する有効性が示されているPD-1抗体とCTLA-4抗体の併用療法、又はPD-1/PD-L1抗体と血管新生阻害剤の併用療法は、骨軟部肉腫に対しても有効であるか否かというクリニカルクエスチョンを検討するために、本研究は、肉腫様腎癌に有効なこれらの併用療法の骨軟部腫瘍への臨床応用を目指し、当該併用療法の骨軟部腫瘍に対する有効性について、前臨床の評価を実施すること目的としている。このため、(a)骨軟部肉腫細胞株における免疫チェックポイント分子及びVEGFの発現、(b)単剤治療及び併用療法の細胞外マトリックス、増殖能、運動能等への影響の評価、(c)骨軟部肉腫腫瘍組織における免疫チェックポイント分子発現及びVEGF発現と予後等との関連の解析、(d)動物モデルにおける単剤治療及び併用療法の腫瘍免疫及び免疫チェックポイント阻害への影響についてそれぞれ検証する予定である。今年度は主に(a)骨軟部肉腫細胞株における免疫チェックポイント分子及びVEGFの発現、(b)単剤治療及び併用療法の細胞外マトリクス、増殖能、運動能等への影響の評価を実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨及び軟部肉腫の細胞株を用いて免疫チェックポイント分子及びVEGFの発現を解析した。細胞株はヒト線維肉腫細胞株、ヒト骨肉腫株、マウス骨肉腫株を用いた。PD-L1発現、VEGF等について、免疫染色により同一培養条件下での評価を行った。また、単剤及び併用治療の細胞外マトリックス、増殖、浸潤、運動への影響を評価した。ヒトPD-1抗体としてニボルマブ、ヒトPD-L1抗体としてアテゾリズマブ、ヒトCTLA-4抗体としてイピリムマブ、血管新生阻害剤としてベバシズマブをそれぞれ使用して実験した。in vitroで各肉腫cell lineにおけるPD-1抗体、PD-L1抗体、CTLA-4抗体及び血管新生阻害剤の単剤及び併用投与の影響をCell viability assay (MTT)、Motility assay及びInvasion assayにて解析した。ヒト骨軟部肉腫腫瘍組織を用いて免疫チェックポイント分子及びVEGF発現と予後との関連を解析のため、パラフィン包埋標本の未染色標本の準備を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、主に(c)骨軟部肉腫腫瘍組織における免疫チェックポイント分子発現及びVEGF発現と予後等との関連の解析、及び(d)動物モデルにおける単剤治療及び併用療法の腫瘍免疫及び免疫チェックポイント阻害への影響について研究をすすめる予定である。ヒト骨軟部肉腫腫瘍組織を用いて免疫チェックポイント分子及びVEGF発現と予後との関連を解析、患者骨軟部肉腫より採取された腫瘍組織(パラフィン包埋標本、凍結検体)における免疫細胞浸潤、免疫細胞浸潤細胞の種類の判定のための免疫染色(CD3, 4, 5, 8, 20, 56, 68, 1a)による評価、免疫チェックポイント分子(PD-1、PD-L1、CTLA-4)、VEGF発現解析のRT-PCR、免疫染色、Westernblotによる評価、腫瘍浸潤細胞、免疫チェックポイント分子、VEGF発現と転移や死亡などの予後との相関性の解析を予定している。また、マウス肉腫細胞株の同種移植モデルを用いてマウスPD-1抗体、PD-L1抗体、CTLA-4抗体及び血管新生阻害剤の単剤及び併用投与による血管形成、免疫チェックポイント分子(PD-1、PD-L1、CTLA-4)発現への影響を免疫染色、Western blotによる評価、腫瘍浸潤細胞の免疫染色(CD3, 4, 8, 20, 56, 68, 1a)により免疫細胞浸潤への影響の評価も予定する。
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Causes of Carryover |
今年度、ヒト骨軟部肉腫腫瘍組織における免疫チェックポイント分子発現及びVEGF発現と予後等との関連の解析、及び動物モデルにおける単剤治療及び併用療法の腫瘍免疫及び免疫チェックポイント阻害への影響についても準備する予定であったが、次年度から開始することとなったため次年度使用額が生じた。今後はヒト骨軟部肉腫腫瘍組織における免疫チェックポイント分子発現及びVEGF発現と予後等との関連の解析のためのスライド作成費用、抗体及び試薬の購入費に研究費を使用する。また、動物モデルにおける単剤治療及び併用療法の腫瘍免疫及び免疫チェックポイント阻害への影響評価のための動物実験用のマウス購入費用、薬剤の費用、マウス腫瘍組織の免疫染色の抗体、Western blotに用いる試薬等の購入費用に研究費を使用する。加えて、統計解析用のソフト、研究の情報収集に必要な学会参加費用、また研究に関連する書籍購入費用にも研究費を使用する。
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