2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploration of biomarker in preclinical experiments for optimal monitoring of mTOR inhibitors after kidney transplantation
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23K08734
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
奥見 雅由 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60512978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 章 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (00256942)
角田 洋一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40710116)
佐原 寿史 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 准教授 (90452333)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 腎移植 / 前臨床大動物モデル / mTOR阻害薬 / エベロリムス / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の腎移植後成績の向上は、カルシニューリン阻害薬(CNI)の登場とその使用法の進歩が果たす役割は大きい。しかし、CNI高濃度による腎毒性、低濃度による抗ドナーHLA抗体産生、長期投与による悪性新生物発生をいかに抑制するかが次の解決課題である。 その対策としてmTOR(mammalian target of rapamycin)阻害薬であるエベロリムス(EVR)の導入が試みられている。海外ではCNI減量または中止を目的としたEVRの有用性につき、多くの試験が施行されており、EVR併用群において生存率や拒絶反応発生率に影響を与えることなく移植腎機能は良好であったとの報告が多い。申請者らも、EVR併用低用量CNIでの維持免疫抑制導入にて良好な腎機能温存が可能であった結果を報告してきた。 基礎研究ではEVRによる抑制性T細胞誘導の報告が散見されており、EVRによるTreg活性が移植腎機能維持に貢献している可能性があるため、免疫抑制以外の評価が必要であると考えられる。 しかし、実臨床では免疫抑制薬として血中濃度により投与量を決定しているものの、至適使用方法に関してはいまだ結論が出ていない。mTOR阻害薬を主体とした維持免疫抑制下での腎移植後患者では、末梢血でのFoxP3陽性Tregの増加と急性拒絶反応発症の低下の関連性が示されているものの、mTOR阻害薬の至適使用を反映するバイオマーカーは確立されていない。 本研究では、主要組織適合性抗原(MHC)確立ミニブタを用いて②慢性腎拒絶反応(Group 2)および①CNI腎毒性(Group 1)モデルを作成、これらのモデルを用いてEVRの至適使用を反映するバイオマーカーを探索する。さらに、この前臨床腎移植モデルでのバイオマーカーを腎移植後患者でのEVR投与量のモニタリング方法への応用を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MHCの確立したクラウンミニブタを用いて、ハプロタイプC1→C2へのMHCフルミスマッチでの同種腎移植を行った。C1腎をレシピエントC2ミニブタの右後腹膜に移植した後に、レシピエントの健常左腎を摘出したライフサポーティングモデルである。まずは、①慢性拒絶反応モデルの作成に着手した。上記のクラウンミニブタを用いて、12日間の高濃度タクロリムス持続投与(目標血中濃度:35-45ng/mL)および13日目以降より14日間の減量タクロリムス持続投与(目標血中濃度:15-20ng/mL)で管理したMHCフルミスマッチ腎移植を2例行った。 1例目は術後119日まで観察し、経時的な腎機能採血と移植腎生検による病理学的評価を行った。119日目に犠牲死の上で移植腎を摘出したが、移植腎は広範な線維化と高度の細胞浸潤を認めた。2例目は現在術後111日目で生存しているが、最終の移植腎病理評価時期を決定するために、腎機能を採血で評価を行う予定としている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度前半は、②慢性拒絶モデルの2例目の移植腎病理組織評価を行い、1例目との結果と比較する。再現性がなければ3例目の腎移植個体を作成し、12+14日間のタクロリムス目標濃度の再設定を行う。再現性があればこれまでの保存血清にて各サイトカインおよびmRNAレベルを評価し、①12+14日間の高濃度タクロリムス持続投与によるCNI毒性モデルの作成を開始する。 本年度後半からは、上記①②モデルを基本としてEVR持続投与を加えたGroup 3~5の実験群の作成を開始する。
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Causes of Carryover |
初年度はGroup 2の慢性拒絶反応モデル作成として、3個体の同種腎移植を行ったが、うち1例は術後循環不全のため移植腎機能不全となった。残り2例は経時的な移植腎の病理組織学的評価を行いながら、術後120日前後の経過観察を行った。この期間も定期的に血清やリンパ球は保存しているが、各種サイトカインおよびmRNA測定は行っていないため、初年度予算を次年度に繰り越すこととなった。本年度は、これらの評価を追加で行う予定である。
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