2023 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍浸潤T細胞とオルガノイドを用いた腎がん免疫病態の解明
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23K08750
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Research Institution | Kanagawa Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
辻 嘉代子 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), 臨床研究所がん免疫療法研究開発学部, 特別研究員 (60584232)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | オルガノイド / 腎がん / T細胞 / TCR / RNAシークエンス / がん免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
腎がん組織中の腫瘍浸潤CD8+T細胞由来のTCR遺伝子を導入したTCR-T細胞を作成し、腎がんオルガノイドと共培養し、細胞傷害活性の高いTCR遺伝子配列を同定した。また、細胞傷害活性の特に高かったTCR-T細胞と腎がんオルガノイドとの共培養後に、TCR-T細胞およびがん細胞を分離・回収し、RNAシークエンスによる遺伝子発現解析を行った。具体的な結果は以下のとおりである。 ①腫瘍浸潤CD8+T細胞から同定されたTCR遺伝子(20種)を健常ボランティアから採取したT細胞にレトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入させTCR-T細胞を作成した。がんオルガノイドを酵素処理後に播種し、TCR-T細胞と18時間共培養したのち、培養上清中のLDH活性及びIFN-gamma濃度を測定し、細胞傷害活性の高いTCRの遺伝子配列を同定した。 ②胞傷害活性の特に高い2種のTCR-T細胞とがん細胞との反応後の各細胞での遺伝子発現変化を解析した。TCR-T細胞とがんオルガノイドを18時間共培養したのち、抗CD3抗体ビーズにより分離・回収したTCR-T細胞およびがん細胞からRNAを抽出した。RNAシークエンス解析を行い、各細胞における遺伝子発現変化を調べ特徴的な遺伝子群を同定した。 以上のように、腎がん細胞に対して高い細胞傷害活性を示すTCRを特定し、その反応時の遺伝子発現変化を確認できたが、現在、その再現性を確認中である。今後は、T細胞と腎がん細胞の反応に重要な遺伝子群を確定し、機能についてさらに検討を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共培養したTCR-T細胞とオルガノイド細胞からそれぞれの細胞を分離・回収する条件の検討に時間を要したため、遺伝子発現変化の再現性の確認が現時点では終了していない。ただし、すでに実験条件が決定し、計画通りに研究を進めていることから、今後は順調に進捗すると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍浸潤CD8+T細胞と腎がん細胞の反応に重要な遺伝子を同定するため、共培養したTCR-T細胞と腎がんオルガノイドそれぞれの遺伝子発現変化の再現性を確認する。また、特徴的変化を示した遺伝子群の重要性を検証するため、発現変化のあった遺伝子をTCR-T細胞あるいは腎がんオルガノイドに強制的に発現増強・抑制し、細胞増殖、シグナル伝達、遺伝子発現、等に対する影響を調べる。さらに、in vitro実験系で得られた結果が患者の生体内を反映しているかを検証するため、腎がん組織および他がん種組織での遺伝子発現を解析する。
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Research Products
(3 results)