2023 Fiscal Year Research-status Report
同所性同種膀胱癌モデルマウスを用いた免疫チェックポイント阻害剤感受性因子の解明
Project/Area Number |
23K08755
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
佐野 剛視 関西医科大学, 医学部, 講師 (60866309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 恭 京都大学, 医学研究科, 教授 (00642406)
北 悠希 京都大学, 医学研究科, 助教 (90647455)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 膀胱癌 / 癌免疫療法 / 生体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
BBN化学発癌モデル、UPPL(Upk3a-CreERT2; Trp53L/L; PtenL/L)遺伝子改変モデル由来の複数の新規膀胱癌細胞株を用いて、生着率や成長速度が安定した同種膀胱癌モデルマウスの確立を試みた。これらのうち、野生型B6マウスに移植可能で、成長速度が安定している6細胞株(BBN963,975、UPPL1541,1591,1595,1598)を同定した。 これらの細胞株由来の同種皮下移植腫瘍を用いて、現在マウス抗PD-1抗体による投薬実験を行っている。BBN963由来の皮下腫瘍では抗PD-1抗体への反応性がcontrol群と比較して明らかに高く、UPPL1541ではcontrol群とは有意な差がないという結果になっている。 BBN963由来の皮下腫瘍(molecular subtypeでbasal/squamousに分類される)では免疫染色においてCD8陽性T細胞の腫瘍内浸潤が他の細胞株由来の腫瘍と比較して多く見られ、basal/squamous subtypeの腫瘍が抗PD-1抗体に感受性を示すことに矛盾しない所見である。 また、生体イメージングへの準備として、上記6細胞株にレンチウイルスを用いて赤色蛍光タンパクであるmScarletを導入した。FRETバイオセンサーを発現したマウスの維持・繁殖も予定通り行えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
安定した同種膀胱癌モデルマウスの確立に時間を要したため、抗PD-1抗体による投薬実験がまだ途中となっており、今年度も引き続き行う必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型B6マウスの皮下に高率に腫瘍形成可能な細胞株を用いて、マウス抗PD-1抗体の投薬実験を終了させる。感受性の高い株と低い株を2つずつ選択し、投薬前後の腫瘍からRNAを抽出し、bulk RNAseqを行う。また、FACSを行い免疫細胞の分画を同定する。 二光子顕微鏡を用いた生体イメージングも併行して進め、抗PD-1抗体投与後の免疫細胞と癌細胞の運動を観察し、相互作用を評価する。
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Causes of Carryover |
計画より物品購入費が節約でき、1130円余剰あり。 来年度、免疫組織化学染色用の抗体購入に使用予定。
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