2023 Fiscal Year Research-status Report
不妊治療および妊孕性温存のためのセミオーダーメイドな精子凍結保存-融解法の開発
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23K08777
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
宗 修平 浜松医科大学, 医学部, 特任講師 (30647607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 俊章 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (50529568)
高久 康春 東京農業大学, 農学部, 教授 (60378700)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 精子 / 不妊治療 / 凍結保存技術 / 男性不妊症 / 機械学習 / 精子運動性 / 精子形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
凍結融解後の運動精子の回収率には個人差が大きい。そのため、不妊治療や妊孕性温存を目的に凍結していた精子が融解後の所見が悪いために予定していた治療が中止となるケースも少なくない。このような精子の凍結融解後の成績の差は主に精子の凍結融解耐性の違いに依存していると考えられる。凍結前にこのような精子の特性が分かっていれば、融解後のリスク評価や個人に適した凍結融解法の提案が可能となると考えられる。我々はこのような精子の凍結融解耐性に影響を与える特徴として、精子の浸透圧耐性、形態的特徴、運動性などに着目している。前年度は特に精子の凍結融解耐性を評価するために必要な精子の運動特性と形態的特徴を定量的に評価するためのシステムの開発を行った。一般的に精子の運動性は運動率と直進性で評価されるが、我々のシステムでは精子の詳細な軌跡を評価するための13個の特徴量の抽出を可能にした。また、形態評価も目視による評価が一般的であるが、画像解析を通して面積や真円度などを含む36個の形態的特徴量を定量的に評価できるようシステムを開発した。現在、これらのシステムを利用することにより得られる精子特徴量をもとに、凍結融解後の運動精子の回収率に関連する因子の同定を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大規模言語モデルなどを利用することで、想定より早くシステム開発ができ、複雑な精子の特徴量を定量的に評価することが可能になったことに加え、当初の想定より多くの症例が集まっており、今後の解析に十分な環境が整っており、本研究課題がおおむね順調に進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に作製した精子運動特性および形態的特徴を評価するシステムを用い、精子の凍結融解耐性を評価するアルゴリズムの構築をすすめていく。さらに、凍結融解耐性の異なる精子に対応可能なセミオーダーメイドな精子凍結保存-融解法の開発を目指す。
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Causes of Carryover |
前年度は精子形態および運動特性を評価するシステム開発を優先的に進めたため、購入予定であったいくつかの試薬は使用期限などを考慮し、次年度以降に購入することにしたため、繰越金が生じた。
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