2023 Fiscal Year Research-status Report
3次元がん幹細胞培養系を用いた卵巣がん幹細胞のプラチナ抵抗性獲得機序の解明
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23K08794
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
山脇 芳 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90650622)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 卵巣がん / プラチナ抵抗性 / 3次元培養 / G6PD / NRF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
上皮性卵巣がんには代表的な4つの組織型(漿液性、粘液性、類内膜、明細胞)があり、治療成績や臨床予後もそれぞれ異なっている。これまでに30例の卵巣がんスフェロイド細胞の樹立に成功した。樹立した卵巣がんスフェロイド細胞のプラチナ製剤(シスプラチン、カルボプラチン)の感受性を in vitroで解析したところ、プラチナ抵抗性細胞と感受性細胞の2群に層別化することができ、プラチナ製剤への抵抗性を特に有する細胞を同定した。卵巣がんスフェロイド細胞のRNAシーケンスによる網羅的遺伝子発現解析の結果、抵抗性を有する細胞では、転写因子NRF2とペントースリン酸経路の律速酵素であるG6PDの発現が高いことが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
他の業務が多忙であったため
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Strategy for Future Research Activity |
我々はNRF2がG6PD の発現を調整することでプラチナ製剤への感受性を制御している可能性があると考えており、来年度以降は樹立した卵巣がんスフェロイド細胞を用いた機能解析実験による検証をさらにすすめたい。
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Causes of Carryover |
卵巣がん組織別のスフェロイド細胞の新規樹立のために必要な物品費を計上していたが、今年度は当初予定していた数の細胞の樹立ができず、物品費の使用が少なくなってしまったために繰越金が生じたものである。次年度以降もさらに卵巣がんスフェロイド細胞の新規樹立を目指し、繰越金は主にスフェロイド細胞培養費用として使用する予定である。
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