2023 Fiscal Year Research-status Report
Detection of circulating tumor cells in gynecologic cancr applying fluorescent aptamer
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23K08832
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
高倉 正博 金沢医科大学, 医学部, 教授 (20313661)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 健雄 金沢医科大学, 医学部, 講師 (20609979)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 末梢血中腫瘍細胞 / テロメラーゼ / アプタマー |
Outline of Annual Research Achievements |
cell-free DNAなどを解析対象としてリキッドバイオプシーはがん遺伝子パネル検査など臨床応用がはじまっている。血中循環腫瘍細胞(Circulating tumor cells: CTC)は遺伝情報のみならず、その発現状態などのより高次元な情報を含む有望な解析対象であるものの、その検出方法は未だ確立されていない。アプタマーは特定の分子と特異的に結合する核酸分子やペプチドであり、特定の有機色素と結合することでその蛍光を飛躍的に増強させる蛍光アプタマーが種々存在する。これを分割しさらに特定の核酸と結合する部位を付与することで、核酸を認識して蛍光を発することが可能になる。これを分離型光アプタマーセンサー(Split light up aptamers sensors: SLAS)と呼ぶ。長所はサイズが小さいため細胞内で高次構造をとった核酸も標識可能であり、また安価でデザインが容易であることが挙げられる。ヒトテロメラーゼは、がんの85%以上で活性化されているのに対し、ほぼすべての体細胞では抑制されており、がん細胞の良い指標となりうる。しかしながらテロメラーゼは核タンパク質であり蛍光抗体などの方法を用いても生細胞で検出することが困難である。本研究では SLASを用いることで核内蛋白であるによるテロメラーゼのmRNA検出による簡便かつ高感度なCTCを検出する系を確立することを目的とする。 本年度はテロメラーゼの構成蛋白であるヒトテロメラーゼ逆転写酵素(human telomerase reverse transcriptase: hTERT)のmRNAを標的としたSLASをデザインしその機能を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度はテロメラーゼの構成蛋白であるヒトテロメラーゼ逆転写酵素(human telomerase reverse transcriptase: hTERT)のmRNAを標的としたSLASをデザインしその機能を評価した。SALSは標的mRNAに相補的に結合するArmとアプタマー(蛍光物質と特異的に結合する部位)を形成するStrand、ArmとStrandをつなぐLinkerから成る。今回は蛍光物質としてSpinachと呼ばれるアプタマーと特異的に結合する3'5'-ジフルオロ-4-ヒドロキシベンジリデンイミダゾリノン(DFHBI)を選択し、hTERT mRNAに相補的なArmを持つSLASと設コントロールとしてGAPDH mRNAに相補配列を置換したSALSを同時に設計した。SLASの機能を評価するためにhTERT mRNA発現が認められる株化培養細胞(HeLa)と認められない株化培養細胞(Saos-2)よりRNAを抽出し、hTERT mRNAとGAPDH mRNA(コントロール)を蛍光標識できるか確認した。GAPDH mRNA SALSでは両細胞由来のRNAで蛍光が確認できたが、hTERT mRNA SALSではできなかった。また既報ではS/N比がおよそ300程度と報告されている(Chembiochem 2016; 17(17): 1589-1592)が、我々の行った検討では50程度であった。hTERT mRNAの検出ができなかったことはその発現量がGAPDH mRNAに比べて少ないことが根本的な原因と考えられるが、S/N比がさらに高くなるような条件を見つけることで検出が可能となると考え、ArmやLinkerの配列を改善したSALSを作製し、検討を続けている。今年度はhTERT mRNAを検出可能なSALSを完成できなかったため進捗状況をやや遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
①SLASを用いた生細胞内でのhTRET mRNA標識とそれによるCTC検出法の確立(令和6年度前半) hTERT mRNAに対するSLASを改良し、細胞内での標識を行う。hTERT mRNAへの特異的な結合と、十分に強い蛍光強度が得られることが確認されたら、健常者血液中に株化がん細胞を入れたCTCモデルでの検出実験を行う。またhTERT以外のがんで発現が亢進している遺伝子(Survivin、c-Myc、Oct4)などに関しても標識対象となりうるかの検討を行う。SLASの細胞内への導入に関しては基本的に非特異的なエンドサイトーシスで行われるため、特別な導入法は必要ないが、導入効率が良くない場合は受容体介在型エンドサイトーシスを利用するための受容体結合配列の付加を考慮する。 ②婦人科癌検体におけるCTC検出(令和6年度後半~令和7年度) 婦人科がん血液検体におけるCTC検出を行う。手術や化学療法の前後あるいは臨床経過とともに経時的にデーターを蓄積することで、臨床病理学的な因子との関連性、予後との相関について検討し、婦人科癌におけるCTCのバイオマーカーとしての臨床的意義を明らかにする。 ③CTC解析方法の改良(令和7年度) CTCはセルソーターで回収し、DNA/RNA解析を行う。これまでは全ゲノム増幅法でDNAを解析可能な量にまで増幅させた後に目的遺伝子をPCR増幅して変異解析などを行ってきた。本法による検討は継続しつつ、次世代シーケンサーによる網羅的検討も行いたい。また近年、MALDI質量分析装置を用いた細胞解析も報告されており(Anal Chem. 2022;94:1108-1117.)、これも導入を予定している。
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Causes of Carryover |
ヒトテロメラーゼ逆転写酵素(human telomerase reverse transcriptase: hTERT)のmRNAを標的としたSLASをデザインしその機能を評価が主体であった。臨床検体を用いた検討に着手していないため、試薬・消耗品に関しても昨年度までに購入したもので賄えたものが多かった。そのため新規の経費それほどかからなかった。 次年度は、臨床検体での検討を行うために試薬・消耗品の使用量が増加すると考えられるため、購入費用が必要である。また論文作成のための英文校正料、投稿料も必要になると考えられる。研究結果報告のための旅費も予定しており、その費用に使用する。
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