2023 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the mechanisms underlying drug-resistance and identification of candidate drugs of gynecologic neuroendocrine tumors using patient-derived organoids
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23K08836
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Research Institution | Chiba Cancer Center (Research Institute) |
Principal Investigator |
河野 眞美 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 特任研究員 (60973295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸 喜明 千葉県がんセンター(研究所), 発がん研究グループ 発がん制御研究部, 研究員 (30742754)
田中 尚武 千葉県がんセンター(研究所), 婦人科, 診療部長 (80236611)
筆宝 義隆 千葉県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究所長 (30359632)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 神経内分泌腫瘍 / 患者由来がんモデル / 3次元培養 / オルガノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
患者由来オルガノイド(PDO)はもとの腫瘍の特徴を保持しているとされるが、婦人科神経内分泌腫瘍(GNEN)への応用例は非常に少ない。本研究ではPDOを用いてGNENの治療抵抗性に関わる洞察の取得および治療薬候補を同定することを目的とする。すでに樹立済みのGENE-PDO 3株(卵巣、子宮体部、子宮頸部由来のNENから1株ずつ)における神経内分泌マーカー4種(synaptophysin, chromogranin A, CD56, INSM1)の発現をウエスタンブロットで評価した。卵巣NEN-PDOではsynaptophysin, NCAM, INSM1、子宮体部NEN-PDOではsynaptophysin, INSM1のタンパク質発現が確認されたが、子宮頸部NEN-PDOではいずれの神経内分泌マーカーの発現も確認されなかった。そこで子宮頸部NEN-PDOがNEN由来であることを確認するため、409がん関連遺伝子のターゲットシーケンスを実施し、もとの腫瘍の遺伝子異常と比較した。全体で4つのmissense変異を同定し、この内3変異は共有、1変異はPDOのみで同定された。PDOの遺伝子変異がもとの腫瘍とほぼ共通であったことから、NEN由来のPDOであるが脱分化したことが強く示唆された。さらに、GENE-PDO 3株について、小細胞肺癌の治療で使用されるエトポシドを含む抗がん剤9種に対する感受性を評価したところ、PDO間で感受性に多様性がみられ、子宮体部NEN-PDOが最も抵抗性であった。本年度は新規に子宮頸部小細胞神経内分泌癌2例からPDO 4株、子宮頸部大細胞神経内分泌癌1例からPDO 3株を樹立し、現在樹立したPDOについての解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
婦人科神経内分泌腫瘍(GNEN)は稀な組織型ということもあり、患者由来オルガノイド(PDO)の報告は国際的にみても未だ非常に少ないが、今回子宮頸部NEN 3例からPDOの樹立に成功した。特に子宮頸部大細胞神経内分泌癌のPDOに関する報告は皆無であり、貴重なリソースとなることが期待される。また、GNENの同一症例から複数のPDOの樹立にも成功しており、より詳細な腫瘍細胞の多様性に関する研究が可能となった。一方で、GNENは稀な組織型のため、症例数の確保が課題と考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立した婦人科神経内分泌腫瘍(GNEN)由来の患者由来オルガノイド(PDO)の病理組織学的解析や遺伝子異常の検索、腫瘍原性評価、薬剤感受性試験などを実施し、患者由来がんモデルとしての妥当性の確認および症例間や同一症例内でのPDOの多様性について評価する。GNEN-PDOを用いた薬剤・化合物スクリーニングを実施し、高い抗腫瘍効果を認める治療薬候補を選抜する。その後、選抜した個々の阻害剤について通常の薬剤感受性試験と同様にdose-response curveを作成して妥当性を確認する。引き続き新規のGENE症例からPDOの樹立とその多面的評価を実施する。
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Causes of Carryover |
本年度に納品が間に合わなかったため、次年度繰り越しとした。
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