2023 Fiscal Year Research-status Report
子宮内炎症における分泌蛋白ゲルソリンの機能解析:感染起因性の早産克服を目指して
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23K08841
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宮崎 有美子 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (10808710)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 早産 / ゲルソリン / 絨毛羊膜炎 / エンドトキシン |
Outline of Annual Research Achievements |
妊娠中は、感染をはじめとする様々な炎症性刺激に繰り返し曝露される。このような炎症性刺激に対し、適切に免疫反応(エンドトキシン耐性)することで妊娠が維持されるが、その耐性維持のメカニズムはいまだ不明な点が多い。ゲルソリン(GSN)は 、脂質やペプチド、炎症メディエータと結合し、様々な炎症性疾患や細菌感染、創傷治癒に関与している。本研究では、妊娠中のエンドトキシン耐性に対するGSNの役割について検証し、その分子メカニズムを解明することを目的とする。2023年度は、血漿サンプルを用いて妊婦のGSN発現をELISAで検討した。非妊娠時と比較し、妊娠中の血漿GSN濃度は低下しており、妊娠経過とともに漸減した。妊娠中にCAMを発症した妊婦のGSN濃度は経時的に減少する傾向を認めた。また、絨毛膜羊膜炎(CAM)と診断された早産児の胎盤(おもに卵膜)におけるGSNの発現を免疫組織化学で検証した。GSNはおもに絨毛膜結合織に散在性に発現していたが、発現程度はCAMの重症度と明らかな相関を認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ゲルソリン機能解析のための早産モデルの確立に難渋している。
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Strategy for Future Research Activity |
妊婦血漿および臍帯血中のGSN発現と炎症マーカーとの相関、母体胎児の周産期予後に関して解析する。また、胎盤由来細胞株を用い、LPS、炎症性サイトカイン刺激によるGSNの機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
共同研究者より実験に必要な試薬や抗体を分与いただき経費が削減できた。
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