2023 Fiscal Year Research-status Report
卵巣がんの発生初期の免疫微小環境に着目した腹膜播種機構の解明と新規治療法の開発
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23K08859
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Research Institution | Department of Clinical Research, National Hospital Organization Kyoto Medical Center |
Principal Investigator |
安彦 郁 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 内分泌代謝高血圧研究部, 研究員 (20508246)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 隆介 京都大学, 医学研究科, 助教 (40782363)
林 琢磨 独立行政法人国立病院機構(京都医療センター臨床研究センター), 展開医療研究部, 研究室長 (60359726)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 卵巣癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
生殖系列BRCA遺伝子変異を持つ場合に、卵巣・卵管・腹膜癌になるリスクを低減するために予防的に卵巣卵管切除術を受けることがある。その卵巣卵管切除術の際に偶発的に卵巣癌または卵管癌がみつかることがある。こういった癌は発生ごく初期のものであると考えられるが、卵巣癌は発生初期から転移能、特に腹膜播種を起こす能力を持つことが知られているがその詳細な機序は不明である。 今回、生殖系列BRCA遺伝子病的バリアントを持ち予防的リスク低減卵巣卵管切除術を受けた患者のうち、卵巣癌や上皮内卵管癌(STIC)が見つかった症例の免疫染色を行った。症例は術後補助化学療法を6サイクル受けたが、再発し、二次的腫瘍減量切除術を受けた。この同一症例の再発癌に関しても免疫染色を行う予定である。 その他、進行卵巣癌患者で生殖細胞系BRCA検査やHRD(相同組換え修復異常)検査を受けて結果がわかっている患者について、手術標本を用いて免疫組織染色を行う予定である。 また、初回癌と再発癌の複数の手術標本のある卵巣癌患者について、免疫組織染色および腫瘍組織の全エクソームシークエンシングを行う。 なお、卵巣癌の漿液性癌と明細胞癌について、SLFN11の発現がBRCAと独立してプラチナ系抗がん剤への反応性に関連していることを共同研究者として報告した(Akashi et al. Molecular Cancer Therapeutics)。対象症例におけるSLFN11の免疫染色についても追加して検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RRSO患者サンプルについては腫瘍量が少ないため切り出しに工夫が必要であり、できるだけ1回の切り出しで多くの薄切切片を得るようにするための評価に時間がかかる。RRSO患者が想定よりも少ないため、共同研究施設を増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
他のRRSOを行っている施設と共同研究として研究計画を修正する。
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Causes of Carryover |
免疫染色等の外部委託検査について2023年度納品のスケジュールで提出が間に合わなかったため
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