2024 Fiscal Year Research-status Report
独自に見出した新規因子が関わる母児間鉄代謝制御機構の解明
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23K08868
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| Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
森岡 裕香 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (00360264)
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| Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 胎盤 |
| Outline of Annual Research Achievements |
令和6年度は、マウス胚盤胞期胚にレンチウイルスベクターを感染させることで胎盤特異的に遺伝子操作する技術を応用して、胎盤または胎仔のみで遺伝子Xを欠損させたモデルマウスを作製し、胎盤・胎仔の両方でXを欠損したマウスの表現型との比較を試みた。 遺伝子X欠損マウスでは、胎盤ならびに胎仔肝のHamp発現が上昇し、胎仔肝に鉄の蓄積が認められる。コントロールとしてEGFPを発現するレンチウイルスベクターを遺伝子X欠損胎盤特異的に発現させても、これらの表現型に影響を与えないことが確認できた。 胎盤のみで遺伝子Xを欠損させたモデルマウスの作製にはCre発現レンチウイルスベクターを使用したが、Creの過剰発現は毒性が強く、生存個体がほとんど得られなかった。 胎仔のみで遺伝子Xを欠損させたモデルマウスの作製にはFLPe発現レンチウイルスベクターを使用した。胎仔はXを発現せず、胎盤でのX発現が野生型の8割程度にまで回復している個体が一定数得られ、これらの個体では、胎盤のHamp発現上昇が抑制される傾向にあった。さらに、胎仔はXを欠損したままであるにも関わらず、肝臓におけるHamp発現ならびに鉄濃度が野生型と同程度にまで減少しており、胎盤のX欠損が、胎仔肝のHamp発現や鉄濃度の上昇を引き起こしている可能性が強く示唆された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和6年度に計画していた、胎盤または胎仔のみで遺伝子Xを欠損させたモデルマウスの作製・解析について、胎盤のみでの遺伝子欠損については実験条件の最適化が必要であり、十分な結果が得られなかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和7年度は、毒性を示さないCre発現レンチウイルスベクターの感染濃度の検討または、一過性発現型のCre発現レンチウイルスベクターの使用を検討し、胎盤のみで遺伝子Xを欠損させたモデルマウスの解析を再度試みる。この解析には多数の初期胚が必要であり、週齢の揃った実験用マウスの供給が重要となるため、繁殖用コロニーの安定的な維持に努める。 さらに、令和6年度に着手した、肝臓特異的なトランスサイレチンプロモーターを利用したモデルマウスの作製や解析系についての検討を継続する。
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