2023 Fiscal Year Research-status Report
Novel therapeutic strategies using histone modifications and DNA repair pathways in refractory gynecological cancer
Project/Area Number |
23K08882
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
曾根 献文 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (90598872)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | SUV39H 2 / DNA修復 / PARP阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮平滑筋肉腫(uLMS)は再発率が高く、化学療法に抵抗性であるため、予後不良である。従って、uLMSの新規治療標的を発見する必要がある。 SUV39H2はヒストンメチル化酵素であり、リン酸化H2AX(γH2AX)を亢進することによって二本鎖DNA切断の修復を促進する。本研究では、uLMSにおけるSUV39H2の潜在的な治療標的と、PARP阻害剤とSUV39H2阻害剤OTS186935の合成致死性のメカニズムについて検討した。まずuLMS、正常子宮筋層および平滑筋腫の臨床組織におけるSUV39H2の発現解析を行った。SUV39H2の発現は、正常子宮筋層や平滑筋腫と比較してuLMSで有意に増加した。OTS186935は両細胞株で細胞生存率を低下させ、オラパリブとの併用はSK-UT-1細胞で合成致死をもたらした。アネキシンアッセイにより、併用療法がアポトーシスを誘導することが明らかになった。OTS186935で処理した後、γH2AXの抑制が認められ、ChIP-seq法においても、OTS186935処理後のγH2AXのシグナル低下が示された。OTS186935は、ChIP-seqやその他のアッセイによるγH2AXの抑制から明らかなように、二本鎖DNA切断修復を阻害する。よってこの併用療法は一本鎖DNA修復と二本鎖 DNA修復を阻害する事により合成致死を誘導する。OTS186935とオラパリブの併用は、uLMSにおける有効な治療戦略であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
子宮肉腫においてSUV39H2阻害剤+PAPRP阻害剤併用という新たな治療戦略について研究して現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒストンメチル化阻害剤とPARP阻害剤の併用療法について子宮肉腫だけでなく卵巣粘液性癌についても検討する。またPAPR阻害剤耐性細胞株を作成して、ヒストン修飾の状態をChIP-seq等で検討する。
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Causes of Carryover |
既にある試薬、細胞株、検体により計画が順調に進んだため次年度使用額が生じた
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Research Products
(3 results)