2023 Fiscal Year Research-status Report
網羅的ゲノム解析・微小環境空間的解析による子宮頸部胃型腺癌の発症・治療戦略の樹立
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23K08887
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小玉 美智子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 講師 (70791391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤田 健二郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (00452392)
木瀬 康人 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (90778531)
中村 幸司 大阪大学, 大学院医学系研究科, 招へい教員 (00900151)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 子宮頸部胃型腺癌 / 全エクソームシーケンス / 分葉状頸管腺過形成 / ステップワイズ |
Outline of Annual Research Achievements |
子宮頸部腺癌のうちヒトパピローマウイルス非関連癌の大部分を占める胃型腺癌は化学療法や放射線療法に非常に抵抗性で予後不良である。分葉状頸管腺過形成は胃型腺癌の前癌病変と考えられているが、これら一連の疾患の発症機構には不明な点が多く、その解明により新たな治療戦略を樹立することが望まれる。本研究では、同一症例において子宮内頸部正常腺管、分葉状頸管腺過形成、胃型腺癌のゲノム変異をwhole exome sequencingで解析し、各段階に生じていると想定されるステップワイズな遺伝子変異を同定することで発症に関与するゲノム変異を解明すること、得られた結果について正常内頸部腺管オルガノイドを用いて検証すること、また同時に微小環境における細胞間相互作用をシングルセルレベルでハイスループットに解析することで、ゲノム変異を含め包括的に胃型腺癌発症機構を解明し、新たな治療戦略への応用を目指すことを目的とする。 分葉状頸管腺過形成、胃型腺癌組織の両者を含む7症例についてDNA抽出を行い、whole exome sequencing解析を行い、品質が担保されたデータを得ることが可能であった。現在、SNV、CNV解析、それらに基づく系統樹解析を行なっている。得られたデータには過去のターゲットシーケンスによって同定されたTP53やSTK11等の変異が含まれていることが確認された。今回得られた結果から、正常子宮頸管腺から分葉状頸管腺過形成、胃型腺癌への連続的変化を見出しており、さらに検証を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、whole exome sequencingを行い、正常子宮頸管腺から分葉状頸管腺過形成、胃型腺癌への連続的変化について解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
whole exome sequencingから得られたデータの2次解析を進めていきたい。胃型腺癌・分葉状頸管腺過形成オルガノイド作成については、該当症例が少ないため、今後も症例を蓄積し継続的に取り組んでいきたい。
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Causes of Carryover |
解析費に充てるため。
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