2023 Fiscal Year Research-status Report
耳小骨連鎖異常症例に対する簡易非侵襲診断機器の開発
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23K08908
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉本 寿史 金沢大学, 医学系, 准教授 (20547179)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | 耳小骨連鎖不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
富山市民病院倫理審査委員会にて承認を得、承認済の金沢大学医学倫理審査委員会を含めて、2施設による他施設共同研究体制を構築した。その結果2施設に受診した37例(43耳)においてSFI/WFIを用いて計測した。手術を行い確定診断に至った27例30耳(術前固着疑い20耳例、術前離断疑い10耳)において下記の項目の解析を行った。①WFIおよびSFIによって計測される音圧カーブ(SPLカーブ)。②上記の音圧カーブから推測される可動分布点。③術前聴力検査(3分法)。④手術所見による確定診断。⑤WFIおよびSFIによる術前予想と手術所見による確定診断との整合性。さらに健聴成人として金沢大学の学生および職員(22.7 ± 4.7歳)24例47耳のデータを集積した。47耳(健聴成人)、20耳(耳小骨固着)および10耳(耳小骨離断)の音圧カーブから得られる可動分布点および中耳動特性マップを作成した。今回析した現状のマップによる評価では固着、離断、正常耳の範囲に傾向はあるもののオーバーラップ範囲が広い結果となった。この原因として、1,正常・離断・固着を Yes/No で評価していること。2,マップ上に全項目の範囲を付置してしまい、病変(離断,固着)の間で比較していること。3,ΔSPL・RFの 95%区間(平均±1.96 SD)を結んでいるため,外れ値の影響が反映されている。以上の3点が挙げられた。今後の解析方針として、Yes/No で評価せず,各病変に対する重みを計算(例えば % 表現)する予定とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね予定通りの症例数の集積と解析が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
正常と固着にオーバーラップ範囲が広いものとなったが、この問題を解決するために現在、クラスタ重心からの距離の逆数などを算出し、機械学習でクラスタリング を行うシステムを開発中である。正常・離断・固着を Yes/No で評価せず,各病変に対する重みを計算し、例えば % 表現などで表す予定としている。
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