2023 Fiscal Year Research-status Report
5-アミノレブリン酸を用いた真珠腫の光線力学診断法および光線力学治療法の開発
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23K08939
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
小林 泰輔 高知大学, 医学部, 客員教授 (30253313)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 真珠腫性中耳炎 / 鼓室形成術 / 遺残性再発 / アミノレブリン酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
計画された研究計画に沿って実験を進めた。手術時に採取された検体を直ちに2分割し、1つは5-アミノレブリン酸(5-ALA)を添加し培養液に4時間浸透させた。その後、液体窒素で凍結し、後日クライオスタットで10 μm厚の凍結切片を作製した。もう1つは5-ALAを添加していない培養液に浸透させ、同様に凍結切片を作製した。ヘマトキシリン・エオジン染色を行い、光学顕微鏡で観察を行い、真珠腫母膜が確認された標本において、核染色を行い次の共焦点レーザー顕微鏡による観察を行った。まず核染色で母膜の上皮細胞を確認し、この部位を赤色可視光(600ー740 nm)を用いて共焦点レーザー顕微鏡で観察し、上皮細胞にプロトポルフィリンIX(PpIX)の蓄積の有無を確認した。 多くの検体でPpIXの蓄積が認められた。しかしPpIXが発現しない母膜(上皮細胞)も一部認められた。一方、5-ALAを添加せずに培養を行った検体では添加した検体と比べて、PpIXの蓄積はごく少量であった。 以上の結果、5-ALAを添加した場合、真珠腫母膜にPpIXの蓄積が認められた。この結果は、今後の真珠腫に対する光力学診断と光力学治療の可能性を期待させるものである。しかし、PpIXの蓄積は、検体による差異や5-ALAを添加しなかった検体でも自然蛍光による弱い発光と考えられる場合もあり、これらの可能性についてさらに検体数を増やして検討する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共焦点レーザー顕微鏡によるPpIXの観察は上記『研究実績の概要』に示したように、ほぼ計画通り進行しているが、予定していたGalectin-7免疫染色は現時点では行っていない。しかし、ヘマトキシリン・エオジン染色で母膜の位置や形状は確定できるので研究計画自体に支障はないと考えている。また、試料が臨床検体であるため、必ずしも検体として適していない場合もあり、ある程度の症例数(検体数)を確保する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度においても検体数を増やして引き続き予定の研究を推進していくとともに、コントロール(非真珠腫)についても検討をすすめたい。
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