2023 Fiscal Year Research-status Report
平衡覚を特徴づける2種類の前庭感覚細胞の分化マスター遺伝子の探索
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23K08985
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小野 和也 大阪大学, 大学院医学系研究科, 特任助教(常勤) (70972165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若井 恵里 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40964896) [Withdrawn]
日比野 浩 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (70314317)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | Fgf / LTK / 有毛細胞 / 前庭 / 内耳 |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類だけでなく、鳥類や爬虫類においても前庭有毛細胞は2種存在しており、分化に必要な遺伝子は種を超えて保存されているはずである。本年度は、前庭有毛細胞の分化マスター遺伝子の候補を探索するため、既に報告されたニワトリの論文(Scheibinger et al., 2022 Cell Reports)において公表されているscRNAのデータセットを用いて、2種の有毛細胞特異的に発現する遺伝子を網羅的に比較した。その結果、2型有毛細胞に比べ1型有毛細胞に多く発現する遺伝子としてLeukocyte Receptor Tyrosine Kinase (LTK)及びFgf10を同定した。これらの遺伝子は発生過程において細胞分化にも関わるため前庭有毛細胞の2種性にも関与している可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
報告されたscRNAのデータセットを用いて前庭有毛細胞2種性を決定するマスター遺伝子の候補遺伝子を複数同定できたことは当初の大きな目標の一つであるため。
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Strategy for Future Research Activity |
前庭2型有毛細胞に比べ、1型有毛細胞に多く発現する遺伝子として新規に同定されたLTK及びFgf10が哺乳類にも当てはまるか否かを野生型マウスを用いて検討する。具体的にはIn situhybridization法や免疫組織化学的手法を用いて、マウス1型前庭有毛細胞におけるLTK及びFgf10の発現を調べる。
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Causes of Carryover |
2023年度は主に既存のデータの解析に注力したため、物品費に繰越が生じた。繰越分は2024年度は実験計画に応じて主に物品購入に使用する。
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