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2023 Fiscal Year Research-status Report

嗅上皮再生における一過性受容体電位TRPチャネル/Sonic Hedgehogの役割の解明

Research Project

Project/Area Number 23K08992
Research InstitutionWakayama Medical University

Principal Investigator

河野 正充  和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (20511570)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村上 大地  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30794218)
酒谷 英樹  和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (30817317)
桑添 博紀  和歌山県立医科大学, 医学部, 学内助教 (80929141)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Keywords嗅覚障害 / TRPチャネル
Outline of Annual Research Achievements

嗅覚障害は、新型コロナウイルス感染症などの感染症、加齢、環境化学物質など、様々な外的・内的要因によって引き起こされる。損傷した嗅覚受容体ニューロン(ORN)は再生するが、どの受容体やセンサーがORNの再生に関与しているかは不明であった。本研究課題において申請者らは、損傷した組織の治癒中に感覚神経に発現する侵害受容器である一過性受容体電位バニロイド(TRPV1およびTRPV4)チャネルのORN再生機構における役割を調査した。TRPV1ノックアウト(KO)マウス、TRPV4 KOマウス、および野生型(WT)マウスを使用して、メチマゾール誘発性嗅覚障害モデルを作製した。TRPV抗体を用いた免疫染色によって嗅上皮におけるそれぞれの分子の局在を調査したところ、TRPV1,TRPV4は両方とも嗅上皮(OE) で発現し、特にTRPV1はORN軸索付近に存在したのに対し、TRPV4はOEの基底層でわずかに発現していることがわかった。嗅覚障害後の回復過程を組織学的検査、嗅覚行動検査で調べたところ、TRPV1 KOマウスではORN前駆細胞の増殖が減少し、ORN再生と嗅覚行動改善が遅れた。TRPV1 KOマウスの神経成長因子およびトランスフォーミング成長因子はWTマウスと同様であり、トランスフォーミング成長因子βレベルはTRPV4 KOマウスよりも高かった。TRPV1は前駆細胞の増殖の刺激に関与し、TRPV4はそれらの増殖と成熟を調節した。ORNの再生は、TRPV1とTRPV4の間の相互作用によって制御されていることが判明した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

TPRV1 KOマウス,TRPV4 KOマウスを用いた嗅覚行動検査、免疫染色検査を行い、前駆細胞の分化、増殖にかかわるTRPV1,4の役割を明らかにすることができたため順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

メチマゾール誘導性嗅覚障害マウスに抗SHH抗体を投与し、嗅覚行動、嗅上皮組織の変化を観察する。抗SHH抗体は細胞毒性の報告があり、週1回から投与間隔を調整し至適投与間隔を調査する。抗SHH抗体で嗅上皮前駆細胞の分化への影響を観察することができれば、続いてSHH抗原の投与による影響を観察する。

Causes of Carryover

動物実験において、条件設定が比較的スムースに行うことができたため、使用マウス数を予定よりも減らすことができた。次年度においては、繰越金をより詳細な嗅覚再生機序解明のための動物実験にあてる予定である。

URL: 

Published: 2024-12-25  

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