2023 Fiscal Year Research-status Report
Relationship between ophthalmologic diseases and cortical visual functions assessed with high time resolution techniques.
Project/Area Number |
23K09022
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
澤村 裕正 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70444081)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 幹史 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (50907938)
代田 悠一郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (60804143)
雨宮 史織 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90631135)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 視覚 / 機能的脳画像 / 脳磁図 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では主に非侵襲的に中枢機能を評価でき、空間解像度に優れる機能的脳画像と、時間的解像度に優れる脳磁図それぞれの利点を活かして中枢視機能の解明および眼科疾患との関連の解明を目指している。初年度は課題に用いる視覚刺激の作成を中心に行い、その視覚刺激を用いて少数名での測定を試みた。機能的脳画像撮影では高次視覚領域における視機能の一端の解明を目指しBiological Motionを用いた視覚刺激を作成した。通常の視覚刺激と異なりBiological Motionを用いた視覚刺激では脳活動が弱い可能性が先行研究から想定されたため、複数のBiological Motionを同時に提示する視覚刺激を作成した。加えて能動的な脳活動を測定するため被験者には視覚刺激の中で確認できたBiological Motionの数を回答してもらう課題を行った。2名の被験者に対しパイロットスタディを行った。正答率は両名ともに90%を超えることが確認でき、課題遂行中の機能的脳画像撮影を行った。解析の結果、各被験者から視覚関連領域での脳活動が得られた。脳磁図測定では網膜機能局在、レチノトピーを測定するための視覚刺激を作成した。先行研究から網膜のレチノトピーに関しては後頭葉でもよく保存されることが知られている。脳磁図での電流源の推定がより安定化すると考えられるような視覚刺激を考案し、6名の被験者での測定を行った。しかしながら電流源と推定された領域が生理学的に電流源の発生源とされる皮質上に限局されていなかった。そこで別途MRI撮像により取得した被験者個々人の解剖データから抽出された皮質上に拘束された解が得られるように工夫することで推定の安定化を確認した。これらの研究の一部は第45回EMBC国際学会で発表された。また臨床研究としてレーベル遺伝性視神経症の稀なミトコンドリア点変異の報告を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
機能的脳画像研究、脳磁図研究ともに視覚刺激の作成および少数の被験者を用いた確認も終了しており、結果の妥当性も得られたことからおおむね順調に進行していると考えられる。2024年度も引き続き研究を継続していく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
機能的脳画像撮影、脳磁図測定ともに視覚刺激に関しては初年度に作成されたものをベースとして必要に応じて改善を加えていく。機能的脳画像撮影に関しては5,6名程度の被験者の撮影が終わった段階で課題の正答率および脳活動部位、信号強度を含めた中間解析を行い、被験者毎のばらつきや結果の妥当性などを検討していく。集団解析を行うにはサンプル数が不足しているため、今後も被験者を増やして撮影を行っていく予定である。2024年度内には学会発表を目指して中間解析を行い、その結果を含めて必要な数の被験者の機能的脳画像撮影を終了させることを目標とする。2025年度には前年度までに得られたデータを用いて最終解析ならびに成果発表としての論文作成を行う予定である。脳磁図測定に関しても被験者を増やして測定を継続していく。同時に電流源を推定する手法(磁場の結果から電流源を推定する逆問題を解決する手法)に関して、従来から提案されているものに加えて、本研究で新たな解析方法を提案できるよう検討を重ねていく予定である。新たな逆問題解決法の提案のために同一の被験者で同じ視覚刺激を用いて脳磁図測定および機能的脳画像撮影を行うことも検討している。2024年度には解析を進め学会発表を行うとともに被験者の測定を終了させることを目標とする。2025年度には最終解析を主に行い、論文発表を目標に研究を進めていく予定である。
|