2023 Fiscal Year Research-status Report
Functional evaluation of spatio-temporal characteristics of electrical retinal stimulation by temporal interference
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23K09025
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
三好 智満 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70314309)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 電気刺激 / 人工網膜 / 人工視覚 / 時間干渉刺激 |
Outline of Annual Research Achievements |
刺激電極から離れた場所の神経細胞を興奮させることが可能な時間干渉刺激法を、従来のパルス状の刺激を用いない新規の人工網膜の刺激法として適用することを試みる。時間干渉刺激の性状を明らかにするためには、正弦波の電気刺激を連続的に与えながら電気生理学的記録を行う必要があり、この正弦波電気刺激がノイズとして記録にどの程度影響を与えるかを調べた。ラットを用い、上丘から銀ボール電極を用いて集合電位の記録を行ったところ、網膜に加えた2kHz正弦波電気刺激のノイズが記録にも重畳した。しかし、アンプ内蔵の低域透過フィルターに加えて追加でフィルターを回路に挿入したところ、刺激に由来するノイズはかなり削減された。また、眼球に電気刺激を与えながら同時にフラッシュ光刺激を与え、このフラッシュ光による誘発反応を記録できるか調べたところ、電気刺激を加えない場合に記録される誘発反応と同じものを平均加算を行うことによって記録することができた。このことから、電気刺激を連続的に加えている状態でも集合電位の記録が可能であることがわかった。また、時間干渉刺激の効果を明らかにするためには、上丘表面からの2次元的にサンプリングする必要があるが、電極を順次移動させて記録するのではなく、多点の記録電極を用いて同時にサンプリングすることが望ましい。その可能性を探るため市販の多点皮質表面電極を上丘表面に適用できるかを調べた。上丘を覆っている大脳皮質をガラス管によって吸引除去して表面を完全に露出することと、手術と保持具を工夫することで皮質用の電極を上丘表面に設置することが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一番困難と予想された電気刺激しながらの電気生理記録の実現可能性に目処が立ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きこれまで確立した手法を発展させて、時間干渉刺激の特性を明らかにする。フィルター性能が不足することに備え、デジタルフィルターの導入を検討する。
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Causes of Carryover |
当年度最終四半期(1-3月期)の動物実験施設利用料が大学の会計システムの都合上次年度に請求されるために次年度使用額が計算上生じているが、実際の支出は概ね計画通りである。
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