2023 Fiscal Year Research-status Report
角膜ジストロフィの角膜混濁発症メカニズムの解明と新規治療法の開発
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23K09031
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
臼井 智彦 国際医療福祉大学, 医学部, 主任教授 (80282557)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 角膜ジストロフィ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はまずマウスの施設移動のため、マウスの表現系の確認と遺伝子検査、並びに胚保存を行った。角膜混濁の程度が軽度になっており、混濁が出ているマウスをいくつかピックアップし胚保存を行った。また細胞株樹立のため、以前に手術検体から採取したTGFBI角膜ジストロフィの角膜実質細胞の遺伝子解析を行った。するとR124H, L527R, A546Dなどの変異が確認された。今後これらの細胞、並びに変異のないコントロールのヒト角膜実質細胞を不死化することにより、様々な解析を行う予定である。また角膜ジストロフィ患者の混濁様式と遺伝子異常の関与を検討するため、遺伝子情報や臨床所見のサマライズを行った。角膜ジストロフィは通常ほぼ両眼性であるが、片眼性の変異の2系統を確認した。また格子状角膜ジストロフィの同様の角膜混濁を来す睫毛乱生によるアミロイドーシスも経験した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞株の作成のための、プライマリーカルチャー細胞の選定に戸惑ったことと、動物の表現系がやや軽度となり、動物の選定が困難だったこと
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りの検討を行うとともに、角膜ジストロフィの角膜混濁のメカニズム解明には実際の患者の混濁の表現形と遺伝子異常の関係も重要と考えられる。よって角膜ジストロフィ患者の遺伝子解析を進め(倫理委員会取得済み)、角膜混濁や視機能の解析も進める。また一部の角膜ジストロフィではアミロイドが沈着するが、睫毛乱生や円錐角膜といった他の眼疾患でも角膜アミロイドーシスは生じる。よってこれらの疾患を手がかりに、混濁のメカニズムについて検討を行いたい。
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Causes of Carryover |
細胞の選定、動物の移動に時間がかかったため
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