2023 Fiscal Year Research-status Report
MAIT細胞活性化による慢性炎症性眼疾患治療の確立
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23K09061
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
長谷川 英一 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (70636521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
園田 康平 九州大学, 医学研究院, 教授 (10294943)
武田 篤信 九州大学, 医学研究院, 准教授 (40560313)
柴田 健輔 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50529972)
八幡 信代 九州大学, 医学研究院, 准教授 (90315812)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ぶどう膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコイドーシス、ベーチェット病、原田病などの自己免疫性疾患では全身に多彩な症状を呈すが、眼組織においてはぶどう膜に生じた炎症が眼のあらゆる部位に波及するぶどう膜炎を呈する。急性期のぶどう膜炎に対してはステロイドを中心とする免疫抑制療法が行われているが、治療が奏功せずに慢性化する症例もある。炎症の慢性期においては、持続的な炎症が続くことにより眼組織障害が徐々に進行し、視機能低下に至る。これまでの我々の研究で自然リンパ球細胞であるmucosal associated invariant T(MAIT)細胞が、ぶどう膜炎において炎症抑制的に作用することを見出している。本研究の目的は、遷延化するぶどう膜炎炎症においてMAIT細胞を含む各種免疫細胞の動態を解析し、現在有効な治療法の無いぶどう膜炎の慢性炎症に対する新たな治療法を開発することである。本年度はサルコイドーシス、ベーチェット病、原田病各ぶどう膜炎患者の末梢血中の単核球表面マーカーや機能性タンパクの発現をマスサイトメトリー(CyTOF)にて解析した。各疾患群を健常人と比較したところ、サルコイドーシス群においてはMAIT細胞の頻度が低く、その他にも各種T細胞に頻度の違いが見られた。またベーチェット病群、原田病群においてもT細胞サブセットの違いが見られ、疾患ごとに細胞分布が異なっていた。これらの炎症細胞群の割合の違いが炎症活動性の違いとなっている可能性が考えられた。次年度以降、これらの細胞集団の更なる機能解析を行なっていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ぶどう膜炎患者末梢血中の各種免疫細胞のプロファイリングを行い、MAIT細胞を含む免疫細胞の割合の違いを解析できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今回検出された免疫細胞集団の機能をシングルセル解析等でさらに解析を行っていく。
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Causes of Carryover |
マスサイトメトリー費用支出が予定より少なかったため。次年度以降の同解析費用やシングルセル解析費用として使用予定である。
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