2023 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of the effect of anterior eye shape on myopia progression due to prolonged near work.
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23K09063
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
稗田 牧 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50347457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 葉 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (40405303)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 近視進行 / 近方作業 / 調節・輻湊 / 角膜形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は近視進行に重要な役割を果たす、長時間の近方視による前眼部形状変化をあきらかにすることである。学童近視の進行過程における前眼部形状変化は、「近方視が行われている強度を示す生物指標」であること証明し、近視進行のリスクがある学童を確定できるようにすることが最終目標である。 これまで調査した学童近視のデータベースから近視進行を予測できる角膜および眼球高次収差を確認することができた。また、角膜形状の経年変化と眼軸延長のパーセンタイル曲線を描写できた。この変化の関連についての解析および文献的考察を行った。 さらにMagnetic Resonance Imaging(MRI)で毛様体筋、外眼筋のみならず中脳網様体近傍を高い解像度で撮像する撮影条件を文献で検討した。また、調節機能検査ARK-1s(二デック社)、角膜形状・波面収差解析装置KR-1W(トプコン社)、非接触眼軸測定装置IOLマスター(ツアイス社)で角膜、前部強膜、毛様体、外眼筋付着部を観察するための実際の測定おこないながら測定条件について検討した。 読書中の視距離は我々が開発した視距離センサーを装着させて1秒ごとの視距離を正確に記録する予定であるが、老視患者に対して実際に測定を行い測定条件の最適化をおこなうことができた。 初年度として、過去の蓄積データの解析が主になったが、その結果として目的となる角膜形状指数を明らかにすることができ、今後の研究の方向づけがなされた。また、今後予定される実際の測定条件についての案を固めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「詳しい視力検査」を解析することで近視進行に関連する角膜高次収差のどこに注目すべきかが明確となった。詳しい視力検査で1149人のべ5270人の学童データをさまざまな観点で解析した結果、角膜6mmのコマ収差が小さく、眼球4mmの球面収差が大きい場合には正視での眼軸延長をおこしやすことが証明された。角膜4mmコマ収差に関して我々の当初の仮説通りのではなかったが、仮説を訂正し近業とこれらの高次収差がどのような関連であるかを明らかにするための実験を今後進める。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは若年成人ついで学童でのさまざまな近方視条件下における、角膜形状変化および視機能変化の観察を行う。それに先立ってボランティアへ測定の倫理委員会申請を行う。
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