2023 Fiscal Year Research-status Report
Genetic diagnosis of vascular malformations by liquid biopsy and its application to precision medicine
Project/Area Number |
23K09072
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 耕資 北海道大学, 医学研究院, 助教 (60791374)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 有平 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70271674)
舟山 恵美 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (10533630)
前田 拓 北海道大学, 大学病院, 講師 (80813542)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 血管奇形 / 静脈奇形 / 動静脈奇形 / 脈管奇形 / PI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路 / MAPKシグナル伝達経路 / 遺伝子変異解析 / リキッドバイオプシー |
Outline of Annual Research Achievements |
脈管奇形は、局所的な脈管形成異常により生じた先天性の病変で、病変を構成する脈管の種類により、静脈奇形、動静脈奇形、毛細血管奇形、リンパ管奇形およびそれらの混合型脈管奇形に分類される。近年、脈管奇形の原因遺伝子同定が進み、シロリムスなどの分子標的薬による薬物療法が報告されている。しかし、これらの薬物療法を行うには、ターゲットとなる低発現頻度の遺伝子変異を確認することが望ましい。これまでの遺伝子変異解析は、主に凍結組織を用いて行われてきたが、生検や手術という侵襲的な介入が必要である。近年、微量検体の分析技術の進歩により、がん領域では唾液や尿、血液をサンプルとして遊離DNAなどのバイオマーカーを対象とするリキッドバイオプシーが行われるようになってきた。 そこで、このリキッドバイオプシーの技術を形成外科が治療の主体となる脈管奇形の遺伝子診断へ応用すべく、本研究を立案した。脈管奇形の患者の血液をサンプルとして、リキッドバイオプシーを行うことにより、既知もしくは未知の遺伝子変異を検出することを本研究の目的とした。本研究によって、リキッドバイオプシーによる遺伝子診断の方法が確立されれば、今後の個別化医療への架け橋となることが期待できる。 初年度は、二施設での共同研究体制を構築し、症例レジストリを開始した。対象者から研究同意説明文書の取得を開始し、遊離DNA抽出用採血管を用いて採血を行い、DNA抽出の条件を検討した。次年度以降、症例を増やして血液からの遊離DNA抽出を行い、次世代シーケンサーを用いた遺伝子変異解析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度は、対象となる動静脈奇形、静脈奇形、混合型脈管奇形の症例レジストリを行い、対象者から研究同意説明文書の取得を開始した。同意を得られた2例から遊離DNA抽出用採血管を用いて採血を行い、DNA抽出の条件を検討し、DNAの品質評価を行った。解析対象とする遺伝子を検討中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度以降、計40例を目標に血液からの遊離DNA抽出を行い、次世代シーケンサーを用いてPI3K/AKT/mTORシグナル伝達経路およびMAPKシグナル伝達経路の遺伝子変異解析を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
二施設での共同研究体制の構築および症例レジストリに時間を要した。初年度に研究同意説明文書を取得して採血を行い、DNA抽出を行えた症例が2例であったため、次年度使用額が生じた。次年度以降、症例を増やして次世代シーケンサーを用いた遺伝子変異解析を行う予定である。
|
Research Products
(1 results)