2023 Fiscal Year Research-status Report
冷却刺激誘導ベージュ(beige)脂肪細胞を用いた新しい脂肪移植法の確立
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23K09074
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
三川 信之 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (40595196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 吉孝 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (10375735)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 脂肪細胞 / 脂肪移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
脂肪移植の多面的作用が注目されている。すなわち、脂肪移植には組織増量のみならず血管新生や瘢痕成熟化の作用が期待されている。しかし、脂肪移植の問題点として生着率が低いことが挙げられる。移植脂肪は周囲組織から血流が再開するまでの間、低酸素などの厳しい環境にさらされることが不可避である。虚血状態において冷却は細胞の酸素需要を減らし、細胞障害を軽減して移植組織の生存性を高めると考えられている。しかし、脂肪移植における冷却の効果は十分検証されていない。また、移植用脂肪細胞のもととなる皮下脂肪組織は全年代においてほぼ全身に分布しているが、年齢別、部位別の脂肪細胞機能はほとんどわかっていない。脂肪細胞及び関連する細胞の機能として、生着能、脂肪分泌能、周囲組織改善能などの多種の作用がある。これらのうち、脂肪細胞の炎症作用は移植組織の生着、成熟過程において、促進的作用と抑制的作用の両面を持つと考えられるが、実際にどのように作用しているのか不明である。近年、炎症ファクターとしてミオシン軽鎖蛋白が肥満と関連した炎症因子として注目されている。我々は皮下脂肪組織に存在する細胞群からミオシン軽鎖蛋白の発現が強い一群が常時存在することを見出した。ミオシン鎖は寒冷馴化において重要な役割を果たしていることが報告されている。これらの細胞群の平常時での意義は現時点では不明であり、移植との関連から今後の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験用細胞などの処理が予定通り行えているため。
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Strategy for Future Research Activity |
脂肪組織にみられる細胞群に発現される遺伝子群の個々の解析を行う。特に炎症や寒冷馴化などに関連した因子にフォーカスをあてて、脂肪移植との関係を調べる。
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