2023 Fiscal Year Research-status Report
Selective induction of bone and cartilage differentiation and reconstruction of the mandibular condyle using miRNA and TCP hybrid biomaterials
Project/Area Number |
23K09080
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
伏見 滋子 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (10850563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 敬介 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10325095)
河合 穂高 岡山大学, 医歯薬学域, 研究准教授 (10803687)
助川 信太郎 香川大学, 医学部, 准教授 (20837661)
長塚 仁 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70237535)
高畠 清文 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70736537)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 骨 / 軟骨 / 分化誘導 / 骨髄組織 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、これまでに培養間葉系細胞を用いた実験系で、間葉系細胞が骨系細胞へ分化していく過程において、miR-140の発現調節が軟骨細胞と骨芽細胞の分化の切り替えに関与していることを発見し、これらの組織特異的な発現がハニカムTCPにより付与されたスカフォールの形状に誘導されている可能性を示し、実際にTCPに付与した特殊な形状により軟骨・骨組織を選択的に誘導することに成功している。本研究課題では骨・軟骨分化スイッチの役割を果たすmiR-140の発現誘導に係る因子と特殊形状を付与したハニカムTCPを用い、組織再生にかかわる細胞と細胞外環境を同時に調節し、生理的、解剖学的に生体と同様の構造と機能を有する骨組織の形成を目的とする。本研究課題では、下顎頭と顎骨組織を同時にシームレスに作製することを目的の一つとしている。当該年度では骨髄組織を持った生体と同様の骨組織を形成することを念頭に骨形成実験を実施し、実際に構造的、機能的に生体に近い骨組織の形成に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度では我々が開発した骨誘導の方法により、骨髄様の組織を持つ誘導骨の形成に成功した。研究計画に則って進んでおり、順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
我々のハニカムTCPスカフォールドを用いた骨誘導手法により、生理的な骨・軟骨組織が再現性高く持続的に形成可能か動物実験を用いて検証する。また、実際に本法により誘導された骨・軟骨組織が生理的、機能的にも正常の組織と同様かどうかを検討する。とくに人工的に誘導された骨・軟骨組織が時間の経過によらず維持されているか、また、時間経過によりその機能が変化するかの点に着目して検討を行う予定である。研究が順調に進捗すれば、関節損傷修復モデルとして、これまで使用経験のある動物膝関節モデルを使用する。ウサギ膝関節に組織欠損を作り、様々な孔径を有するハニカムTCPを用い、骨・軟骨組織誘導に最適なmiR-140、miR-140アンタゴニスト(DKK-1)投与量とハニカムTCPの孔径の組合せを決定する。・孔径75, 300, 500, 1600μmの4種類のハニカムTCPを用い、軟骨分化を必要とする部位にmiR-140を直接導入、もしくはmiR-140の発現を誘導するWnt3aを投入する。骨組織および軟骨組織誘導の理想的な条件を明らかにする。
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Causes of Carryover |
使用する予定の試薬の価格が予定よりも安価に入手でき、また、当該年度におこなった組織学的解析が予定よりも順調に進み、様々な物的ロスを削減することができたことにより、次年度使用額が発生した。次年度の研究では組織学的検索が主体となるが、当初の予定の検索法よりも多機能で性能の良い検索方法を使用する。費用も高くなることから、次年度使用額をこれに充てる。
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