2023 Fiscal Year Research-status Report
非平衡大気圧プラズマを用いた皮弁虚血再灌流障害の新規治療法の開発
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23K09082
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
戸澤 麻美 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (70635531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 善久 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 准教授 (00735318)
村上 正基 愛媛大学, 医学系研究科, 特任教授 (20278302)
神野 雅文 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (30274335)
森 秀樹 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (60325389)
白石 研 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80710863)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 虚血再灌流障害 / HMGB1 / 皮弁虚血 / プラズマ |
Outline of Annual Research Achievements |
皮弁壊死の主な原因の一つとして虚血再灌流障害が注目されている。近年その炎症波及には虚血細胞から排出されたHMGB1が関与しているとの報告が多くみられる。核内タンパクであるHMGB1は、細胞虚血や細胞死などにより細胞外に放出されると酸化型HMGB1となり、重症感染症において重要な炎症性メディエーターとして働くことが知られている。一方で還元型 HMGB1は抗炎症作用を持つことがわかってきたが、細胞外では速やかに酸化されてその機能を失う。そこで我々は、酸化型HMGB1を還元状態に戻しかつ維持できる方法として、近年医療分野でも研究が盛んになっているプラズマに着目した。最近実用化された非平衡大気圧プ ラズマは、生体に対しても熱の影響なく照射することが可能で、さらに抗菌作用や抗炎症作 用をもち、創傷治癒も促進させることがわかってきた。本研究では、プラズマ照射による、抗酸化効果・抗殺菌効果・抗炎症効果・創傷治癒促進効果の多面的な効果を期待した、虚血 再灌流後の皮弁救済に対する全く新しいコンセプトの治療法を開発することを目指す。ラットの大腿部またはマウスの背部に皮弁虚血モデルを作成する。再灌流後の皮弁にプラズマを照射することで皮弁の生着範囲が拡大するかどうかを調べる。挙上した皮弁の面積と、虚血により壊死に陥った皮弁の面積を計測する。虚血モデル作成後にプラズマ照射するタイミングを変化させてプラズマ照射の最適なタイミングを調査する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常マウスの背部にランダムパターンの皮弁を挙上した。虚血モデルとするために皮弁の茎をチューブ状に縫合した。駆血しなくても底面からの血流が遮断されて頭側からの血流だけとなるため、皮弁の先端は虚血となる。再灌流モデルとするために、先端は再度底面に縫合した。これにより。皮弁虚血再灌流モデルが作成できた。プラズマ照射しない皮弁の先端は、底面からの血流がないために虚血となったが、縫合からの再灌流を得ることができた。しかし、プラズマ照射しない群も、プラズマ照射した群も同じ範囲で皮弁壊死となった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、マウスの背部に作成した皮弁虚血再灌流モデルに対して、皮弁作成直後のプラズマ照射する群、作成後1時間で照射する群、3時間で照射する群、6時間で照射する群など、プラズマ照射するタイミングを変化させて皮弁虚血モデルの壊死範囲の変化を調べる。
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Causes of Carryover |
海外の学会での発表予定であったが、今年度は発表に至らなかったために旅費を使用しなかった。次年度に発表予定であるために、次年度に旅費を使用する予定である。 また、ラットを購入して下腹部皮弁による虚血再灌流モデル作成予定であったが、パイロットスタディとしてマウスによる背部のランダムパターンフラップから行っているため、物品費を次年度に使用する予定としているため。
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