2023 Fiscal Year Research-status Report
1細胞解析による基底膜の形成機序を軸とした再上皮化メカニズムの解明
Project/Area Number |
23K09100
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
米澤 朋子 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (30304299)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
百田 龍輔 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (80263557)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 創傷治癒 / 皮膚 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,長寿化や生活習慣病の蔓延等により,糖尿病,動脈硬化や下肢閉塞性動脈疾患等が増加傾向にある.これら患者には足壊疽等,治療に難渋する難治性創傷を認め,重症例では下肢切断となり,患者のQOLを著しく低下させる.近年,創傷治癒を目的に細胞外マトリックスを含んだ創傷被覆材が使用されているが,その効果は必ずしも十分ではないと考えられる.特に、皮膚の創傷治癒において、再上皮化の遅延は難治性化の要因の一つであり、効率よく再上皮化を誘導する治療が望まれるが、現状は未だ十分ではないと考えられる。再上皮化のメカニズムが明らかになり、再上皮化を早期に誘導することができれば、難治性創傷の予防や治療の開発や改善に貢献できる。 我々はマウスモデルにおける皮膚創傷治癒では表皮基底膜形成が再上皮化に大きく影響を与えることを解析したが、その基底膜の形成機序は複雑であり、未だその詳細は不明である。本研究では1細胞解析技術を応用し、基底膜の形成機序を軸に再上皮化という現象を包括的に理解して、再上皮化の遅延や積極的に誘導するメカニズムを明らかにし、創傷治癒のメカニズムについての新しい知見を得ることが本研究の目的である。バイオインフォマティクス解析を駆使して詳細な解析を行っていく計画である。 本年度は若齢と老齢のマウスを用いた皮膚創傷治癒モデルを作製し、創傷治癒過程の組織学的解析をおこなった。また、1細胞解析のための予備的解析に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウスを用いた皮膚創傷治癒モデルの解析に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の計画も引き続き継続し、次年度の計画も進める。
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Causes of Carryover |
マウスを用いた皮膚創傷治癒モデルの解析に時間を要したため実施計画にやや遅れが生じ、次年度使用額が生じた。次年度は本年度の計画を継続して実施すると同時に、次年度の研究計画も進める計画である。
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