2023 Fiscal Year Research-status Report
Integrated analysis of single nucleotide polymorphisms associated with "nonsyndromic" cleft lip and palate
Project/Area Number |
23K09149
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
船戸 紀子 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 准教授 (10376767)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 一塩基多型 / 口蓋裂 / SNP / 口唇口蓋裂 / 非症候群性 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本人・東アジア人は、口唇口蓋裂の発症頻度が高い民族である。ゲノムワイド関連解析(Genome-Wide Association Studies; GWAS)等により、「非症候群性」口唇口蓋裂に強い統計学的相関がある一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism: SNP)が200以上報告されている。しかし、リスクSNPがどのような生物学的変化を引き起こすのか、配列情報からは推定しかできない。そのため、SNPがどの遺伝子に影響を与え、なぜ疾患につながるのかといった発症メカニズムを調べることは、今後の重要な課題となっている。そこで本研究では、非コード領域に存在する「非症候群性」口唇口蓋裂リスクSNPに着目し、SNPに起因する遺伝子転写反応の分子機序解明をめざしている。 今年度は、申請者を研究代表者とする前年度までの基盤研究(20K09901)「DiGeorge症候群疾患遺伝子産物TBX1の新たな転写標的とその分子機構の解明」から、SNP解析を目的とした本課題研究(23K09149)「非症候群性口唇口蓋裂の発症リスクとなる一塩基多型の統合的解析」への流れの中で、国際共同研究を行った。その結果、ネアンデルタール人から変化したSNPがTBX1の発現およびホモ・サピエンスに特徴的な頭蓋底形態に寄与に関与する可能性を見出し、国際共著原著論文(査読あり国際誌、オープンアクセス)を発表した(Funato et al., Am J Hum Genet, 2024)。本課題研究で計画していた非症候群性口唇口蓋裂のリスクSNPについての研究も進行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国際共著原著論文(査読あり国際誌、オープンアクセス)を発表した(Funato et al., Am J Hum Genet, 2024)。本課題研究で計画である非症候群性口唇口蓋裂のリスクSNPについての研究も、計画通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題研究で計画していた非症候群性口唇口蓋裂のリスクSNPについての研究も進行している。また、時間が許せば、海外の国際学会にて参加・発表予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画を執行後、可及的速やかに論文投稿するようにはしているが、査読には、複数のEditorやReviewerの判断が大きく関わり、受理される時期が正確にはコントロールできない。また、国際雑誌へ論文投稿する際、投稿先ジャーナル、受理されるか否か、また、オープンアクセスの有無で、出版費用が大きく異なる。以上のことから使用額に差異が生じた。他にも投稿予定の研究論文があるため、差額についてはその出版費用として利用する。 また、時間が許せば学会参加・発表も予定する。
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Remarks |
東京医科歯科大学 研究情報データベース 船戸紀子: https://reins.tmd.ac.jp/html/100007340_ja.html リサーチマップ 船戸紀子: https://researchmap.jp/7000025296/published_papers
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