2023 Fiscal Year Research-status Report
Osterix/Sp7強制発現による骨格系細胞への分化転換におけるクロマチン再構成の解析
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23K09158
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
出野 尚 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40435699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二藤 彰 鶴見大学, 歯学部, 教授 (00240747)
中島 和久 鶴見大学, 歯学部, 准教授 (90252692)
小松 浩一郎 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (60153665)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | Osx |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、いくつかの細胞系譜の分化段階において重要と考えられているクロマチン構造の変化を、骨格系細胞の分化決定段階において検証することを目的としている。 そのために、Osterix/Sp7(以下 Osx)の強制発現によって線維芽細胞から骨格系細胞へ分化転換する系を構築し、クロマチン構造の変化を解析するアプローチを計画している。 2023年度は、Osx過剰発現細胞株の作出を目指し、導入するコンストラクトについて複数の検討を行った。線維芽細胞から骨格系細胞への分化転換するにあたっては、Osxの発現量が高い方が良いのではないかと考えて、①Osxのみ、②MyoD由来の転写活性領域(以下 TAD)を連結させたOsx、を載せたレトロウイルスベクターを構築した。まず、マウス胎児線維芽細胞(NIH3T3細胞)にこれらのベクターを導入し、Osx、オステオカルシン(Ocn)、アルカリホスファターゼ(Alpl)など骨芽細胞分化に伴って変化する分子のmRNA発現を調べた。ベクター導入から1日後に骨芽細胞分化培地へ交換し3日間培養した後にRNA抽出を行った。①Osxに比べて②TAD:Osxにおいて、OsxならびにOcnの発現が1.5倍近く亢進していた。一方で、AlpやDlx5、Msx2は発現量が低値であった。その理由としては、培養期間が短かった事、プラスミドベクターの導入で導入効率が5割程度であった事、が挙げられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
強制発現細胞株の作成に向けてコンストラクトの検討が出来たため、安定発現細胞株の作成へ進むことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
Osx発現やOcnの発現誘導が亢進していたTAD:Osxをテトラサイクリン誘導性発現レトロウイルスベクターに移し、NIH3T3細胞を用いて安定発現細胞の作製を進める。また、抗CTCF、抗Osx抗体を用いたクロマチン免疫沈降-シーケンス(ChIP-Seq)法の予備実験の検討も進めたい。
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Causes of Carryover |
2023年度はコンストラクトの検討を進めたため、ChIP-Seqの検討に必要な試薬購入がなく未使用額が生じた。未使用額は次年度請求額と合わせて、抗CTCF抗体を用いたChIP-Seq解析に使用する予定である。
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