2023 Fiscal Year Research-status Report
Cooperative angiogenesis mechanism in three-dimensional periodontal ligament mimetic organoids.
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23K09166
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
沢田 啓吾 大阪大学, 大学院歯学研究科, 招へい教員 (70733054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏木 陽一郎 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (20598396)
竹立 匡秀 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (60452447)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 歯根膜細胞 / 血管内皮細胞 / 血管新生機構 / 三次元歯根膜組織 / LbL(Layer-by-Layer)法 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、歯周組織再生剤であるリグロス開発における研究成果から、歯周組織の治癒過程における歯根膜細胞と血管内皮細胞の相互作用による血管形成機序が、組織再生において重要であることを明らかにしてきた。しかしながら、同分子機序の解明には至っていない。その機序の解明には、生体内を模倣した三次元的な細胞構築モデルの開発が必要であり、既存の方法では解析が難しいとされている。そこで、申請者は細胞コート技術であるLbL(Layer-by-Layer)法に着目し、同技術により三次元的歯根膜組織の作製に成功した。本研究では、この三次元的歯根膜組織を用いて歯根膜細胞・血管内皮細胞の細胞間相互作用による血管形成制御機構を解析することを目的とし、以下の解析を行った。 まず、GFP(+)ヒト歯根膜細胞(HPDL)およびヒト臍帯静脈内皮細胞 (HUVEC)を用いて、三次元歯根膜組織体を構築した。すなわち、GFP(+)HPDLおよびHUVECに、FibronectinおよびGelatinでLbL処理を行い、両細胞に薄膜層を形成した。次に、両細胞の混合比率の検討を行った結果、GFP(+)HPDLとHUVECの比率が10:1の条件において、顕著な管腔形成を認めた為、1x10^6個のGFP(+)HPDLおよび1x10^5個のHUVECにLbL処理を行い、24wellトランズウェルインサートに播種することで、三次元的歯根膜組織の形成を行った。 これまでの研究成果において、歯根膜細胞単独の三次元組織では、培養3日後以降において、組織の厚みが菲薄化するという問題点があったが、上記の条件で三次元組織的歯根膜組織を作製することで、組織内に新生血管様の所見を認め、さらに組織の厚みは維持しながら6日以上培養可能であるとの知見を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究において、歯根膜細胞(HPDL)と血管内皮細胞(HUVEC)による三次元的歯根膜組織の作製が完了し、同組織体におけるHPDLとHUVECの相互作用による血管形成機構解析の準備が整った。これまで、歯根膜細胞単独の三次元組織体では、培養3日目以降において組織の厚みが菲薄化する問題点があったが、本年度の研究成果では培養3日目以降も三次元組織体の厚みを維持可能であるとの知見を得た。 上記の成果から、研究は概ね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度の研究計画 1)三次元組織体における歯根膜細胞のRepair効果の解析(沢田・竹立・大学院生) 三次元歯根膜組織体における管腔形成に歯根膜細胞の周皮細胞への分化(Repair効果)が如何なる機序で関与するかについて解析する。まず、歯根膜細胞が血管内皮細胞との共存時における周皮細胞マーカーの発現について解析する。すなわち、三次元歯根膜組織体を周皮細胞マーカーであるαSMA、CD146、PDGFRβ、NG2で蛍光免疫染色を行い、GFP陽性歯根膜細胞における上記マーカー発現を共焦点顕微鏡で経時的に解析する。また、三次元歯根膜組織体からGFP(+)HPDLのセルソーティングを行い、ソートした細胞群における上記の周皮細胞マーカーの発現比率について、フローサイトメーター(ベックマン・コールター CytoFLEX)を用いて解析する。また、組織内の三次元的空間において、如何なる部位で周皮細胞として局在しているかについて解析する為、歯根膜組織体の空間的遺伝子発現解析を行う。すなわち、三次元歯根膜組織体を固定後、凍結組織切片を作製し、超高感度RNA in situ ハイブリダイゼーションであるRNA-scope法を用いて、上記の周皮細胞マーカーの発現を蛍光顕微鏡で観察することで、歯根膜細胞と血管内皮細胞の組織内の三次元的空間における局在について詳細に解析する。
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Causes of Carryover |
本年度の研究において、三次元歯根膜組織体のRNA-seq解析を実施する予定であったが、同解析を実施できなかった為、次年度使用額の81,130円が生じた。 上記の解析は次年度に実施予定である為、次年度使用額として計上する。
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