2023 Fiscal Year Research-status Report
次世代型バイオセラミックスを用いた不完全垂直歯根破折に対する新規治療法の開発
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23K09234
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松裏 貴史 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (10721037)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2028-03-31
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Keywords | MTA |
Outline of Annual Research Achievements |
ProRoot MTA(以下P),MTAアンジェラスHP(以下HP),MTA Flow White(以下F),ニシカキャナルシーラーBG Multi(以下N),Bio-C Repair(以下BR)の5種類のバイオセラミックス,およびスーパーボンド(以下SB)の計6種類の歯科用材料の,ヒト歯根膜由来細胞(以下hPDLCs)における細胞親和性を評価することを目的として実験を行った.P, HP, F,N,BR, SBの6種類の材料でディスクを作製した.また,長崎大学病院で抜歯された抜去歯のうち,歯周炎もしくは智歯周囲炎を認めない小臼歯および第三大臼歯において,メスを用いて歯根中央部1/3からhPDLCsを採取し,10% FBS含有DMEM培地中で37℃,5% CO2条件下で培養後,3~5代継代したものを実験で使用した.作製したディスクを48ウェルプレートの底面に静置し,その上にhPDLCsを,100,000cells/wellの濃度で播種し,10% FBS含有DMEM培地中で培養し,7日目および28日目に,MTT Cell Proliferation Assay Kitを用いて細胞代謝活性試験を行った.ディスクを静置せずhPDLCsのみで培養したものをネガティブコントロールとした(以下NC).培養7日目と28日目の吸光度の差の検定に,対応のあるt検定を用いた(α = 0.05).培養7日目の吸光度は,F群 < N群 < BR群 < SB群 < P群 < HP群 < NC群の順に大きい結果となり,培養28日目の吸光度は,F群 < P群 < N群 < BR群 < SB群 < NC群 < HP群の順に大きい結果となった.また,HP群,N群, BR群, SB群およびNC群では,培養7日目と比較して28日目において有意に吸光度の上昇を認めたものの,P群およびF群では有意差を認めなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
硬組織形成能の評価をするにあたり、28d培養したら、各群で細胞増殖の速度が大きく異なり比較できなかった。そのため、計画と異なり28dでの細胞親和性の解析から始めることとなったため。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞親和性へ影響する因子を調べ、またMTAを充填した抜去歯で破折抵抗性や封鎖性を調べる。また現在ラットの予備実験を始めている。
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Causes of Carryover |
細胞がコンタミして一時実験を中断したため、その分の実験費用が次年度使用額として生じた。ラットの実験に必要なラットの購入費および実験費用に充てる予定。
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