2023 Fiscal Year Research-status Report
A study on influencing factors in the bone regeneration process of orthognathic surgery
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23K09242
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
栗原 祐史 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (90514969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 憲起 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (60350831)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 骨再生医療 / 顎矯正手術 / 生体吸収性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、顎矯正手術における生体吸収性プレートの分解産物が骨再生あるいは骨のリモデリングに対して影響するかどうかについてのメカニズム解析である。2023年度は免疫正常ラット骨欠損モデルを用いて、骨再生過程における生体吸収性材料と炎症反応の影響について検討を行った。はじめに、SDラット(雄性、8週齢)を使用し、ラットの下顎角を露出させ、直径5㎜の骨を開削し、ラット下顎角骨欠損モデルを作製した。骨欠損群(control群)と骨欠損部をポリ-L-乳酸プレートで被覆した群(PLLA群)に分け、Day 1,3,7,28における欠損部に得られた新生骨組織を採取し、qRT-PCR法でIL1β,IL6などの炎症性サイトカイン関連遺伝子の発現量を比較した。その結果、Day1、3にIL1-β、IL-6のmRNA発現の亢進を認めたが、Day7,28では炎症サイトカイン関連遺伝子の発現には差を認めなかった。これらの結果から、手術時の炎症反応は認めるものの、プレートが挿入され、周囲組織との接触により炎症反応が誘発される可能性は低いと考えられた。今後は吸収性プレートの分解過程における炎症変化について検証するとともに、SDラットBM-MSCsおよび皮質骨由来間葉系間質細胞を用い、細胞密度が1.5×104cells/cm2となるように自発的スフェロイド形成し、培養開始24と72時間後の培養上清からELISAで細胞生存と成長関連因子、特にIGF-1、HSC70、HIF-1の変化を経時的に観察していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
吸収性プレート挿入時および挿入後の炎症変化は確認できたが、ポリL乳酸の分解過程の炎症変化についての検証に至っていない。これは生体内でプレートが分解するまでの期間が長いためであり、invivoでは来年度に検証を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
invivoと平行してinvitroにおける骨芽細胞あるいは破骨細胞への乳酸の影響について検討を行っていく。具体的には、免疫組織化学の解析より変化の見られるポイントを絞り込み、IGF-1、HIF-1、HSC70および炎症サイトカインと骨芽細胞および破骨細胞分化との関係を明らかにする。
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Causes of Carryover |
2023年度は研究計画にやや遅れが生じていたため、助成金の使用がやや少なくなったが、2024年度に当初の計画とともに実施予定のため、翌年分に計上した助成金とともに使用する予定である。
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