2023 Fiscal Year Research-status Report
Structural analysis of honeycomb type 3D additive manufacturing titanium artificial bone for implantation with high accuracy
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23K09243
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
井上 和也 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00761503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 誠二 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (50726198)
植野 高章 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (60252996)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | チタン / 選択的レーザー溶融法 / ハニカム構造 / 骨形成誘導 |
Outline of Annual Research Achievements |
顎骨再建術で用いられている体内固定用プレートは平坦な直線形の形状であり、手術中に適合するよう曲げ操作を行う必要がある。本手技では顔貌の改善が困難であることや、作業時間が長くなり患者負担が大きいこと、体内固定用プレートを複数回屈曲させるため金属強度の低下、術者の技量が手術の成否に大きく影響が出るなどの課題がある。これらの問題を解決する方法として三次元シミュレーションを基に作製される選択的レーザー溶融法(SLM)積層造形チタン人工骨の使用を提唱している。本技術を用いることで、術前の顔貌とより近い形で顎骨再建が可能となる。チタン自体の高い生態親和性を考慮すると積層造形チタン人工骨自体を埋め込み型のプレートとして使用することができると考えられる。構造としては既存骨から人工骨への骨新生を認め、より強固に骨と結合するチタン人工骨の設計が必要とされる。これまでの研究ではヒト下顎骨を模した、皮質骨・海綿骨模倣型チタン人工骨の開発を行っていた。しかしながら人皮質骨を模倣した人工骨形態では骨膜からの血流・細胞新生が乏しいこと、十分な強度を得るためにチタン人工骨自体の質量が生体骨よりも重くなってしまうこと、チタンと皮質骨との弾性率に大きな差があり生体内で荷重遮断が生じることが危惧される。このことから軽量で、力学的に強固であり、かつ周囲組織からの細胞浸潤を可能とするハニカム構造を有するチタン人工骨の開発を行うことが本研究の核心をなす学術的な問いである。積層造形チタン人工骨の開発は機械工学分野で検討されているものの、生体内に用いた研究は渉猟できる程度である。本研究においては組織学的解析と力学的解析を行い以下の項目を評価する予定である。①骨に近い弾性率・圧縮を有するチタンハニカム構造を探索する。②ラット生体内に埋入し、骨形成が最も高いチタンハニカム構造を決定する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ラット頭蓋骨を用いた積層造形チタンメッシュ試験片の埋入試験を行っている。フォーレンを用いた麻酔後にラット頭頂部皮膚を切開し頭頂部に気孔率50%の積層造形チタンメッシュ試験片を埋植した。1,4,8週において安楽死後に頭部の非脱灰研磨標本作製(ビラヌエバゴールドナー染色)、脱灰研磨標本作製(HE染色)にて組織評価を行った。チタン周囲の細胞の腫瘍化は認められなかった。有意な炎症細胞浸潤も認められなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は積層造形チタンメッシュの気孔率を変化させてチタン試験への埋植試験を行う。 またオートグラフや三次元シミュレーションソフトを用いて、ヒト下顎骨を模した積層造形チタンの応力解析を行い、基礎データとする。
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Causes of Carryover |
特に実験計画に大きな変更はないが、動物実験期間が当初の計画よりも少ない個体数で遂行可能であることが明らかとなったために繰り越しが生じている。次年度は病理組織解析ソフトの導入および手術機器の購入、論文作成・投稿を行う予定である。
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