2023 Fiscal Year Research-status Report
成長因子担持カーボンナノホーンコーティングチタンインプラントの開発
Project/Area Number |
23K09245
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 悟 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (10344524)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横山 敦郎 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (20210627)
小松原 浩実 北海道大学, 大学病院, 助教 (50221247)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | カーボンナノホーン / チタンインプラント / 成長因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
デンタルインプラント治療においては、オッセオインテグレーションの早期獲得が求められており、インプラント表面における骨形成促進を目的に、FGFなどの成長因子やスタチンなどの化学物質の応用が研究されている。しかし、これらの物質は単体では生体内で早期に拡散、吸収され、特にインプラント埋入手術においては出血が伴うため、確実にかつ持続的に作用させることが難しい。本研究の目的は、スキャホールドとしてカーボンナノホーンを用い、オッセオインテグレーションの早期獲得のため骨形成を促進するスタチンなどの化学物質やFGFなどの成長因子を担持したカーボンナノホーンによる表面修飾されチタンインプラントを開発する事である。 令和5年度はカーボンナノホーンコーティングチタンインプラントの製作を行った。カーボンナノホーンのチタンスクリューへのコーティングとして、カルボキシル基を付与したカーボンナノホーンを250μg/mLとなるよう無水エタノールに分散し、陽極酸化処理したチタンスクリュー(直径1.7mm、長さ3mm)を対極とともにカーボンナノホーン分散液中に固定し、直流 電源・定電流下にて泳動電着を行い、カーボンナノホーン表面修飾したチタンインプラントを製作した。泳動条件については、電流や時間を変え、螺旋状構造をもチタンスクリューに均一に修飾可能な条件を走査型電子顕微鏡で確認しながら行った。カーボンナノホーンコーティングチタンへの骨形成促進物質の担持として、スタチンをPBS等に溶解し、溶解液にスクリューを浸漬後、凍結乾燥によりスクリュー表面のカーボンナノホーンに担持させた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究課題の進捗が遅れている理由は、スタチンを担持したカーボンナノホーンをコーティングしたチタンスクリューの製作に時間を要した事にある。泳動電着法によるチタンスクリューへのカーボンナノホーンの電着条件の検索では、カーボンナノホーンがチタン表面に均一に堆積する最適な電圧と通電時間の組み合わせを見つけることが難しくかなりの時間を費やした事や、カーボンナノホーンにスタチンを担持させる事がうまくいかず、進捗は遅れる結果となった。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和6年度の実験計画は、動物実験による成長因子を担持したカーボンナノホーンコーティングチタンインプラントの埋入実験であるが、今年度前半はスタチンを担持したカーボンナノホーンコーティングチタンの埋入実験を行い、後半は組織標本製作や組織計量学的検索と並行して他の成長因子を担持したカーボンナノホーンコーティングチタンインプラントの埋入実験を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
令和5年度の研究計画では、スタチンやFGF、BMPなので成長因子を担持したカーボンナノホーンをコーティングしたチタンインプラントを製作する予定であったが、スタチンを担持させることに時間を要したため研究計画に遅れが生じ、他の成長因子を購入する費用が執行されなかった。また、チタンスクリューや骨成長因子であるスタチンは、以前に行っていた研究で使用していたものが余っていたため、それを使用したことから、チタンスクリューやスタチンなどを購入する費用が執行されなかった。 次年度に繰り越された助成金は、令和6年度に実施する予定であったFGFやBMPなどの成長因子の購入やチタンスクリューの購入に使用し、その後本年度に計上している助成金を使用して本年度に実施を計画している動物実験、組織標本製作などを行なう予定である。
|