2023 Fiscal Year Research-status Report
Chronicization of masticatory muscle pains owing to Neutrophil Extracellular Traps (NETs)
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23K09246
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
土谷 昌広 東北大学, 歯学研究科, 非常勤講師 (60372322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 展 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10272262)
萩原 嘉廣 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (90436139)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 筋-筋膜性疼痛 / 顎関節症 / 好中球 / NETs |
Outline of Annual Research Achievements |
顎関節症に伴う慢性筋痛の多くは筋・筋膜性疼痛疾患(MPS)と同様の症状を含み,異常な線維性構造(索状硬結)の存在と遷延化した炎症性サイトカイン産生を特徴とする。しかしながら,その発症メカニズムは不明であり,治療法も確立されていない。運動後の筋の超回復では細胞融合/取り込みが活発化し,障害(壊死)細胞をも取り込むことが報告されている。本研究ではその現象に着目し,運動後に浸潤する好中球の取込み(細胞融合のエラー)が炎症性筋線維の形質転換に繋がることを明らかとすることを目的として行った。 これまで①運動(咀嚼様、および強制歩行運動)時の筋組織内への好中球遊走とIL-1産生、および②炎症性サイトカインIL-1の筋衛星細胞(筋の幹細胞)の増殖/分化の誘導能について示してきた。これまで①運動時の筋結合織内への好中球遊走とIL-1産生、および②炎症性サイトカインIL-1の筋衛星細胞(筋の幹細胞)の増殖/分化の誘導能について示してきた.本年度、好中球の組織内遊走と好中球細胞外トラップ(NETs)の発現について、Ly6G(好中球の膜タンパク、マーカー分子)とシトルリン化ヒストン(NETsの主要分子)を指標とした免疫染色やウェスタンブロッティングを用いてタンパクレベルでの発現について検討を行った.結果として、筋組織内におけるNETsの発現と蓄積について明らかとなった. 以上の結果から,軽度な筋組織外傷といえる運動疲労時において,好中球には筋機能を維持する機能的役割を有する可能性が示された。好中球の筋組織内での詳細な機能については不明な点が多い。IL-1は主要な炎症性サイトカインである一方で、代謝調節に働くことが知られている。今後、我々の結果は筋機能維持におけるIL-1の機能的役割を示す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
好中球によるNETs発現を示す論文がScientific reportsに無事掲載された.また、抗Gr-1抗体投与による好中球枯渇マウスでの結果も示すことで、筋痛と好中球の関係性についてより詳細な結果が示される予定である. 以上のことからも,研究計画と比較しても非常に良好な進行具合を示すものと考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
Journal of Anatomyに掲載された論文を更に進める形で、咀嚼様運動モデルを用いて、令和4年度に得られた結果を口腔機能に当てはめ、分子レベルでの解析を進める予定である. また、好中球欠損マウスにおける糖代謝障害と易疲労性を示す筋活動量の減少は本研究の仮説を裏付ける上で非常に重要な所見であり,複数の運動モデルで確認、裏付ける作業は研究結果の再現性という意味でも非常に重要なカギを握る. 令和6年度中には学会などで研究発表を行い、今後の方向性を得ることが重要と考えられる.
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Causes of Carryover |
論文投稿などの予定があるため、次年度に投稿代の予備として研究費を一部繰り越した。
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Research Products
(2 results)