2023 Fiscal Year Research-status Report
感染抑制と組織再生を一括制御するインプラント周囲炎治療薬剤複合体の創製
Project/Area Number |
23K09263
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
呉本 晃一 大阪歯科大学, 歯学部, 講師(非常勤) (90319583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 賢治 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (20304313)
小正 聡 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (70632066)
三野 卓哉 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (10625718)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / リン酸化プルラン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は,確実に早期に治癒に導くインプラント周囲炎の新規治療法の確立を目的とし,強固な骨接着性を有する機能性 多糖体であるリン酸化プルランを足場として,一定期間の抗菌剤の徐放と,強力な骨形成タンパクであるBone Morphogenic Protein-2 (BMP-2)を骨再生を必要とする局所に確実に保持し,感染制御と早期骨再生を実現する高機能ドラッグデリバリーシステムを構築することを目的とするものである.申請計画で開発を目指すドラッグデリバリーシステムに用いる担体であるリン酸化プルランは,天然多糖であるプルランをリン酸化したものであることから生体安全性に問題はなく,新規の人工骨や骨セメントの開発に応用されているマテリアルである.本材料は,研究協力者よりすでに供与を受けており,その取り扱い,2%塩化カルシウムを用いた混和,ゲル化の手法は習得済みである.しかしながら,併用する予定であったBMP-2が高価であり,当該年度に補助を受けた研究費では実験に必要な量を購入するのは困難であったため,使用因子を変更することとした.その候補として,BMP-2の遺伝子発現を亢進することが知られている脂質異常症薬であるスタチンに着目し,それを代替薬として用いる準備を進めている.現在,ビーグル犬の前臼歯抜歯窩における,リン酸化プルラン+スタチン複合体の骨再生能を評価する研究計画を立案し,動物実験計画書を提出している状況にある.実験計画の承認後にすぐに実験に着手できるよう,その他の準備を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初実験に使用する予定であったBMP-2が高価なために必要量の購入が不可能であることが明らかとなったことから,研究計画の変更が必要となったため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の計画として,まずはリン酸化プルランを担体として,げっ歯類では既に骨形成能を亢進することが明らかとなっているスタチンを数種の濃度設定条件下でビーグル犬の抜歯窩に移植し,骨再生能を評価する.さらに,その亢進された骨再生能が,抗菌薬の共存下で変化しないかについても検討を進める.
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Causes of Carryover |
当該年度に助成を受けた研究費では,当初の予定どおりの実験が実施できなかった.従って,実験計画を変更するとともに,次年度に助成を受ける研究経費と合わせて実験を進めることとした.
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