2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔癌患者由来のミニ癌(癌オルガノイド)を利用した個別化医療モデルの開発
Project/Area Number |
23K09320
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山崎 浩史 東海大学, 医学部, 准教授 (00338708)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 歯学 / 癌 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌においても、化学療法や放射線療法に対する感受性が症例によって異なることや、同一症例で原発巣と転移巣で感受性が異なることをしばしば経験する。このような『がんの不均一性』による難治化を克服するために、これまでに我々は手術標本を用いたコラーゲンゲル3次元培養法による抗がん剤・分子標的薬に対する感受性試験を検討してきた。その結果、感受性試験と臨床試験の成績は同等であったが、個々の症例に着目すると感受性試験と臨床での効果が必ずしも一致しないことを経験した。そこで患者由来の腫瘍組織からミニ癌(癌オルガノイド)を作成し、同時に腫瘍組織の網羅的遺伝子変異解析を行って個々の腫瘍に対して最適な治療薬候補を見出し、新規治療の開発につなげたい。 本研究は、口腔扁平上皮癌における患者由来の腫瘍細胞を用いたミニ癌(癌オルガノイド)モデルを確立・バンク化し、新規の抗がん剤や分子標的薬の薬剤感受性試験を癌オルガノイドで行うことにより進行/再発転移口腔扁平上皮癌の新規治療戦略を構築することが目的である。現状では癌オルガノイドに関する報告は大腸癌のような比較的症例数が多い癌種が中心であり、口腔扁平上皮癌のような比較的希少とされる腫瘍の報告は少ないため重要と考えられる。現在、患者由来腫瘍移植モデルや癌オルガノイドの確立・バンク化を進めるため、対象症例のサンプル収集を行い、腫瘍組織の網羅的遺伝子変異解析や薬剤感受性試験の予備実験を行い、実験系の確立をめざしている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
所属する施設の診療体制に変化が生じ、対象とする症例が減少した。そのためサンプルの収集が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
サンプルの収集は引き続き継続し、併せて他の診療科や他施設に協力を引き続き要請する。並行して実験系の確立を進める。
|
Causes of Carryover |
2023年度内に癌オルガノイドモデルの確立・バンク化を行う計画であったが、サンプルの収集が進まないため実験が遅れており、計画通りの物品購入を行うことができないため次年度使用額が発生した。2024年度内に癌オルガノイドモデルの確立を目指す。残金と2024年度予算は物品費(試薬、消耗品、実験動物)と学会参加費、旅費に使用する。
|