2023 Fiscal Year Research-status Report
新しいラットモデルを用いた術後痛遷延化の分子遺伝メカニズムの解明と治療戦略の開発
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23K09322
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
城戸 幹太 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (40343032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 准教授 (00423765)
讃岐 拓郎 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (40533881)
渋谷 真希子 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (30399951)
新田 幸絵 北海道大学, 大学病院, 助教 (00463737)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 遷延性術後痛 / SMIRモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
近年の超高齢化社会を背景に,術後の合併症に苦しみ,早期の社会復帰が困難となる患者が急増している.特に3ヶ月以上経っても痛みが引かない遷延性術後痛(CPSP)という病態は,手術患者の生活の質を著しく下げる深刻な合併症であるが、その発症機序は十分に解明されていない。本研究では,最先端のオミクス解析を用いて分子遺伝レベルでCPSP発症機序を解明し,その機序に基づいた新たな疼痛管理法の開発を狙う.具体的には,新しいラットCPSPモデルの確立と機序解明を狙う。本年は、研究代表者の研究施設の移動に伴い研究環境が変わり、そのシステム構築に時間を費やしている。現在、動物実験使用環境の整備と新規に揃えなければならないオーダーメードの器材を再制作している。一方で、研究協力者とともにCPSPモデルに改良を加え、より簡便で成功率の高いmodified Brennanモデルの作成に取り組んでいる。これはこれまで急性痛モデルと使用していたモデルに臨床的に起こりうる筋肉や神経の伸展操作を加えた新しいモデルであり、このモデルが確立できれば、より簡便にかつ安定したデータが得られるようになるはずである。現在、機械的刺激や熱刺激に対しての疼痛逃避行動を計測し、術後痛の遷延がどの程度かを確認しているところであるが、徐々に成功率も上がり今後が期待できる。また、本年は、あらたな研究分担者を得たことから研究の将来の展開にさらなる期待が持て、加速して結果が得られると思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属研究機関が代わり、実験環境の構築に時間を要している。一方で別タイプの遷延性術後痛モデルの開発にも着手しはじめており、安定したデータが得られつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究環境のアップテートと新しい遷延性術後痛モデルの確立を目指し、皮膚神経標本を用いて末梢性感作の様式および中枢性感作への影響を検討していく。
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Causes of Carryover |
研究分担者として得た他の研究費によって購入した物品が、一部本研究と重なるところがあり、その分余剰が発生したため、次年度に繰り越した。
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