2023 Fiscal Year Research-status Report
幹細胞ステムネス性維持とマクロファージ極性転換による骨質維持改善を図る骨再生研究
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23K09329
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
片桐 渉 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10437030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 陽一 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (20345903)
小林 正治 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80195792)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 骨再生 / マクロファージ / 抗炎症 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度はまずMSC-CMに含有されるサイトカイン等液性因子の検索・評価を実施した。MSCはLonza社より購入、一定条件にて培養し回収したものをMSC-CMとしELISA法にてMSC-CMに含有されるサイトカインの評価を行った。その結果、MCP-1などマクロファージの走化性に関わるサイトカイン、VEGF、TGF-β、IGF-1など骨形成に関連するサイトカインなどが検出された。 MSC-CMよりMCP-1を除去したdepMSC-CMを作成した。 ラット骨髄よりマクロファージを採取、MSC-CMあるいはdepMSC-CMを添加した培地にて培養をしたところ、M1マクロファージマーカーであるiNosがdepMSC-CM群で、M2マクロファージマーカーであるCD206がMSCーCM群でその発現を上昇させたことを免疫染色およびRT-PCR法にて確認した。 さらにMSC-CM添加培地で培養したMSCにおいてはオステオポンチン、I型コラーゲン、アルカリホスファターゼなど骨形成に関連する遺伝子発現の亢進をみとめ、一方でdepMSC-CM添加培地で培養したMSCにおいてはそれらの発現は抑制された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
in vitroで行う基礎的な実験は概ね順調に進行しているが、動物実験の条件設定に時間がかかり、この部分で当初計画よりやや遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後MSCにおけるWntシグナル、PIL/Aktシグナル系の幹細胞ステムネス性維持に関連すると考えられる因子の発現の検討を行うとともに、細胞培養を通じ、ステムネス性維持に必要な候補因子につき更なる検討を行う。 また動物実験においては骨再生、骨質維持に対するMSC-CMの効果を確認すべく、研究を遂行していく予定である。
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