2023 Fiscal Year Research-status Report
歯周病が惹起する全身炎症性疾患の機序解明と酸化ストレス制御による予防法確立
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23K09333
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高石 和美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 准教授 (20325286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 保誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50314753)
川人 伸次 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60284296)
湯本 浩通 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60284303)
毛利 安宏 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (80464353)
木下 浩之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 徳島大学専門研究員 (70291490)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 全身性炎症性疾患 / 歯周炎 / 冠動脈内皮細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯周炎が惹起する全身炎症性疾患の一つに冠動脈疾患があげられる。歯周病が惹起する全身炎症性反応が冠動脈血管内皮細胞のRNA発現に与える影響を検討するため,ヒト冠動脈血管内皮の初代細胞(Lifeline Cell Technology社より購入)を培養し,60 mmシャーレに推奨濃度(2,500個/cm2)で播種した。コンフルエントになった細胞にPorphyromonas gingivalis由来のリポポリサッカライド(LPS, 10 μg/ml)を4時間または12時間作用させた。細胞からRNAを抽出し,RNAシークエンス解析により網羅的解析を行った。 その結果,Porphyromonas gingivalis由来LPSを12時間作用では遺伝子発現にほとんど変化がみられなかった。一方,Porphyromonas gingivalis由来LPSを4時間作用させた細胞(LPS群)のRNAシークエンス解析では,LPSを作用させていないコントロールの細胞と比較して種々の遺伝子発現が変化した。また,同様の系でLPS(10 μg/ml)+リドカイン(20 μg/ml)を4時間作用させた細胞(Lid群)のRNAシークエンス解析を行い,LPS群と比較しLid群で発現が有意に上昇あるいは低下した遺伝子群のリストを作成した。そのなかから数種類の遺伝子を選択しリアルタイムPCRを行っている。さらに,冠動脈疾患と関わる全身疾患治療薬の影響を検討する予定で研究をすすめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はヒト血管内皮細胞を用いて心血管疾患関連遺伝子発現動態について検討した。関連遺伝子発現のタイムコースについて予測し,具体的な関連遺伝子群のリストを作成した。RNAシークエンス解析で発現動態が変化した遺伝子の発現をリアルタイムPCRにより検討をすすめている。当初予定の研究実施計画に沿っておおむね予定通りに進行したといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き数種類の遺伝子を選択しリアルタイムPCRを行っていく予定である。また,結果により必要なら免疫組織化学的染色による検討を加える予定である。リドカイン以外には、プラバスタチン、アロプリノールの与える影響の検討をすすめる。 培養系実験のなかには繰り返しの実験や時間のかかる計画があるため今後は予定通りとならないことも予想されるが、研究協力者による協力を得ながらすすめていく予定である。
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Causes of Carryover |
研究計画はおおむね順調に計画しているが、まずは1種類の培養細胞のみでの実験系を優先させていることから、培養系実験の消耗品費を予定より使用しなかったため次年度使用額が生じた。翌年度の研究費と合わせて培養系実験の消耗品費に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)