2023 Fiscal Year Research-status Report
Dental MRI examination introducing intraoral wireless coil.
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23K09348
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡邊 裕 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (00361709)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | MRI / 口腔 / ワイヤレスコイル / 歯科用MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
(本研究の概要)核磁気共鳴画像検査法(Magnetic Resonance Imaging: MRI)が歯科臨床に導入され四半世紀が経過した。これまでに、顎関節内症、顎骨の炎症、嚢胞性疾患、良悪性腫瘍、三叉神経痛の診断等に活用されており、疾患の特性に応じて、拡散強調像や3次元的撮像法、ダイナミック造影法などが順次導入されてきた。装置の磁束密度も3T(テスラ)といった高磁束密度のものが導入されつつあり、空間分解能と組織分解能の向上も著しい。しかしながら、その空間分解能は、歯とその周囲組織を精査するには未だ足らず、歯科臨床へ広く浸透しているとは言い難い。最近、デンタルMRIというキーワードを掲げる論文が散見されるが、その定義は様々である。ここでは、口腔内設置型のワイヤレス受信コイルを新たに導入し、歯と歯周組織のより詳細な情報を取得して、診断に生かすことを目的として研究を行う。これにより、MRIの歯科疾患に対する適応拡大(デンタルMRI)を実現し、歯科診療の質的な向上に貢献する。 (2023年度の研究実績の概要) 研究費の受入により、口腔内設置型のワイヤレスコイル2個を高島製作所に依頼し、試作品を作成した。昨今の世界的な半導体不足の影響を受けて、入手が容易なものと困難なものを用いた2種類を作成した。これらのコイルを用いて、水ファントムに対してMRI撮像を行ったところ、B0に対する不均一正試験が後者においては臨床使用に耐えることが推測されたが前者には難があり、光ファイバー温度計を用いた温度上昇試験においては、後者は臨床的要件を満たしていたが、前者は要件を満たしていなかった。現時点では、後者のコイルにより試験的な撮像を行なっている段階である。臨床的に必要とされる空間分解能、許される撮像時間の設定や、折返しアーチファクトの回避などの検討を行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
世界的な半導体不足により、コイルの作成は遅れがちであったが、おおむね予定どおりの進捗状況と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、使用に耐えるコイルは1個だけであり、画像の不均一性に問題があると考えている。 今後は、複数個のコイルを設置した状況を想定し、研究を進めていく。
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Causes of Carryover |
口腔内設置型コイルの作成については、まだ試作段階であり、具体的な支出とはなっていないため。2024年度に計上します。
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