2023 Fiscal Year Research-status Report
細胞シート工学を用いたバイオコンパチブルインプラントの開発
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23K09362
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
貝淵 信之 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (50621330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉光 喜太郎 東京女子医科大学, 医学部, 特任講師 (00551326)
岡本 俊宏 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (20256530)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 薬剤関連顎骨壊死 / 歯科インプラント / 細胞シート / 間葉系幹細胞 / ビスホスホネート / デノスマブ |
Outline of Annual Research Achievements |
間葉系幹細胞シート(MSCシート)を用いて、MRONJを引き起こさないインプラントの開発を行なっている。先行研究として、これまでにゾレドロン酸を投与したラットを用いてMSCシートにより顎骨に埋入したチタン材料周囲の炎症の出現を軽減させることが可能であることを示した。これらの研究成果をodontology誌に論文報告した。さらにこの研究を臨床応用へ進めるために、ビーグル犬を用いて同様な実験を行った。ゾレドロン酸を投与したビーグル犬の顎骨をトレフィンバーで切削除去して、MSCシートを移植した群と移植しなかった群で比較検討した。これまでのところ、肉眼的にも組織学的にも有意な差を認める所見は得られていない。また、MSCシートの細胞ソースとして検討中である歯肉、歯根膜由来のMSCに対して、次世代シーケンサーによる遺伝子解析や骨、脂肪分化実験、ELISAによるタンパク質分泌量の測定などを行った。次世代シーケンサーによる解析では、MRONJが発症している患者から採取したMSCとヘルシードナーから採取したMSCと比較したところ、いくつかの発現変動遺伝子がみられた。分化能などの検討では有意な差はみられなかった。温度応答性培養皿を用いて細胞シートの作製を試みたところ、歯肉、歯根膜由来MSCのどちらからも移植に使用可能と考えられる細胞シートの作製は可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
細胞ソースが決定しておらず、チタン材料表面の解析などがまだ行えていない。次世代シーケンサーによる検討は進んでいるが、細胞ソース決定の決め手にはかけている状況である。ビーグル犬の実験をチタン材料なしで予備研究として実施しているものの、推察していた実験結果が得られておらず、実験系の再検討が必要と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞ソースの選定を次世代シーケンサーや各種実験によって行っていく。これまでに行えていないチタン材料の性状の検討を、チタンの加工やチタン上での培養実験を行い検討していく。ビーグル犬による動物実験の実験系を再検討し、動物モデルを確立していく。チタン材料と細胞シートによる移植実験を確立したビーグル犬モデルで行い、組織学的に検討を行う。
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Causes of Carryover |
実験の結果が予想していた結果と異なることから、その後に予定していた実験を予定通り進めていない。そのために初年度の使用予算が余る結果となった。初年度で実施した実験を再検討しながら再実験を行い、初年度時点で確立する予定であった項目を決定していく。実施計画通りに進めるように実験の実施量を増やして対応していく。
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