2023 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of common bacteria in the oral cavity involved in the acquisition of malignant transformation of oral cancer.
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23K09367
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大廣 洋一 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (40301915)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋田 京子 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (40399952)
長谷部 晃 北海道大学, 歯学研究院, 教授 (90281815)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 口腔がん / 口腔常在菌 / 悪性形質獲得 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は適切な症例の抽出を行い,臨床ならびに病理組織学的な背景を明確にすることに専念した.対象とした症例は,2015年から2018年に当科で加療した症例で,初診時に転移のない10例とした.性別は,男性7例,女性3例で,年齢は35~85歳で中央値は51歳であった.うち5例は後発転移を来した症例を含めた.後発転移までの期間は1か月~2年6か月で中央値は12か月であった.腫瘍原発の大きさは4~27mmで中央値は20mmであった.臨床的な腫瘍の浸潤の深さは,1から9.5mmで中央値は6mmであった.臨床的T分類は,第7版UICC分類でT1は7例,T2は3例で,第8版UICC分類でT1は4例,T2は6例であった.ついで,病理組織学的背景を検索した.腫瘍の病理組織学的な浸潤の深さは4.6±3.13mmであった.一般的に腫瘍の悪性度評価方法として用いられる腫瘍宿主境界部の腫瘍胞巣の形態に注目した腫瘍の浸潤様式をあらわす各指標の詳細は,リンパ節転移と比較的挿管すると言われる山本-古浜(YK)分類は全例YK-3で,最も予後不良と言われているYK-4Dは認めなかった.腫瘍の浸潤深さが4mm以上で局所再発や疾患特異的生存率の有意な予後予測因子とわれるWorst Pattern of Invasion-5は全例Grade3であった.消化器癌の予後予測で用いられる蔟(ぞく)出(Tumor budding)は,BD-1;8例,BD-2; 2であった.組織学的悪性はGrade I;8例,Grade II;2例であった.また,筋層浸潤は後発転移ありで4例,後発転移なしで3例に認めた. 脈管侵襲は,リンパ管侵襲ならびに静脈侵襲をいずれも認めなかった.神経周囲浸潤も全例で認めなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今回の研究は,口腔常在菌が口腔がんの悪性化形質獲得に与える影響を原発腫瘍で評価することが目的である.これまでの,転移リンパ節から核酸を回収する実験と異なり,腫瘍槐の小さな早期がんから試料を回収するため,症例の選定には慎重を重ね,さらに腫瘍の病理組織学的背景の検討には時間を要した。2023年度で対象とする症例が選定されたことから,今年度は研究を予定どおりに遂行したい.
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Strategy for Future Research Activity |
1)原発ならびに転移リンパ節の病理組織検体における口腔常在菌の存在:原発巣深部の浸潤先端部分からマイクロダイセクション法によりDNAを抽出し細菌に特異的な16S rDNA領域を増幅したPCR産物等を対象に,次世代シーケンサーを用いて配列解析を行う.得られた配列を用いて16S rDNAデータベースに対する相同性検索および系統分類解析を行う.原発の腫瘍が比較的小さい症例から試料を回収するため,核酸抽出,PCRの条件決定には細心の注意を払う. 2)口腔常在菌のなかで悪性度に関与する菌種をYK分類,WPOI-5,TB,静脈浸潤,リンパ管浸潤,神経浸潤,およびがんの分化度を指標に検討し,予後に対する影響を解析する.上記で得られた菌種と臨床的評価項目(全生存期間,患者背景,病理組織診断,SCC抗原)を検討し,悪性度に関与する菌種ならびに予後への影響を解析する. 3)腫瘍の微小環境における口腔常在菌の役割の検討. 抗体が存在する菌種は免疫染色により,その局在,感染しているがん細胞ならびに周囲の免疫細胞の動員の程度などを解析する.CD8+ T細胞,CD25+FOXP3+Treg,さらにCD63陽性のマクロファージなどの集積や動員の程度について解析する.がん関連線維芽細胞(CAF)に関してはvimentin,FSP1などの染色によりCAFの割合についても解析を行い口腔常在菌感染と微小環境の変化について調べる.
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Causes of Carryover |
年度末まで標本作製を行い、試薬等の使用見込が不確実であったため。今年度の助成金に合わせて使用する予定である。
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