2023 Fiscal Year Research-status Report
凍結切片を利用した幹細胞の分化特性評価法とエクソソームによる分化誘導法の確立
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23K09384
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Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
戸田 麗子 (徳山麗子) 鶴見大学, 歯学部, 学内講師 (20380090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里村 一人 鶴見大学, 歯学部, 教授 (80243715)
寺田 知加 鶴見大学, 歯学部, 助教 (40460216)
井出 信次 鶴見大学, 歯学部, 助教 (00611998)
田所 晋 鶴見大学, 歯学部, 非常勤講師 (70552412)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 再生医療 / 細胞源 / 分化誘導 / 凍結切片 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生医療の実用化を目指す上で重要になるのが最適な細胞源の確保と分化誘導法の確立であるが、現在、細胞源の候補である胚性幹細胞、成体幹細胞、人工多能性幹細胞、いずれにおいても、どの臓器の再生を目指すときにどの細胞が最適であるかというところは不明のままである。また、分化誘導法としても、増殖・分化因子の組み合わせを添加し培養する方法が主流であり、添加因子の理想的組み合わせは未だに十分とは言い難く、決定は困難であるのが現状である。そこで本研究では、これまでに申請者らがiPS細胞の分化誘導と品質管理において報告してきた方法を応用し、再生を目指す目的臓器の凍結切片上で各種幹細胞の培養を行うことにより細胞分化を誘導し、その誘導効率の差からそれぞれの幹細胞の目的臓器の機能細胞への分化しやすさ(分化特性)を評価することにより、どのような状態の幹細胞(クローン)が目的臓器・組織再生のための細胞源として最適かを簡便かつ安価に検証し、選別できる新たな評価法を確立することを目的としている。さらにその際に得られる培養上清に対してmultiplexを用いて細胞増殖・分化因子の解析を行うことに加えて、培養上清中に含まれるエクソソームを解析し、これを利用した分化誘導が可能か否か検討することでcell-freeな再生医療の実現を目指している。 今年度は、複数の患者から分離した歯髄幹細胞(クローン)を用いて、①マウス臓器から各種組織の凍結切片上で培養することで、それぞれの幹細胞がどのような機能細胞に分化しやすいか、②その分化特性(分化誘導効率)に差があるかどうかを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに進行しており、今後はさらに検討を追加するとともに、各種幹細胞に対象を拡大し、また対象臓器種も拡大し、幹細胞の分化特性の評価や品質評価につなげる予定であり、その検討の準備が進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
各種組織の凍結切片上で各種幹細胞を培養することで、それぞれの幹細胞がどのような機能細胞に分化しやすいか、その分化特性(分化誘導効率)に差があるかどうかを、さらに種類を増やして確認する。これにより、個人間、組織間、クローン間での分化特性(分化誘導効率)の差について詳細に検討し、iPS細胞の場合と同様に、本法が各種成体幹細胞の分化を誘導することが可能か否かについて検証するとともに、組織・臓器再生に最適な幹細胞(クローン)の選別・品質評価法となり得る可能性を探る。さらに培養上清中のエクソソームについて解析するとともにエクソソーム添加による分化誘導の可否についても検討する。
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Causes of Carryover |
本年度施行予定であった各種細胞を対象とした検討において、現在、予定通り進んでいるが、入手しやすく、また様々な背景の細胞が手に入る、歯髄幹細胞を先行して進めている。このため、他の幹細胞および各種組織での検討が完了しておらず、これを次年度繰り越しとした。次年度はこれらの検討も引き続き行う予定である。
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Research Products
(7 results)