2023 Fiscal Year Research-status Report
FGF2刺激歯髄細胞由来エクソソームの歯周組織再生に向けた評価
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23K09393
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
川口 知子 (武田知子) 岐阜大学, 医学部附属病院, 医員 (30509815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯田 一規 岐阜大学, 医学部附属病院, 講師 (30585237)
手塚 建一 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50236973)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | エクソソーム / 歯髄細胞 / FGF2 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は約300人分のヒト智歯歯髄細胞(DPC)を樹立・保有しており、これまでにDPCラインについて性状解析を行ってきた、またこれらの細胞からiPS細胞を誘導し、再生医療資源として利用するための研究を続けている。近年、間葉系細胞を含めた種々の細胞の培養上清中に含まれる小胞「エクソソーム」が、様々な生理活性を示すことがわかってた。そこで我々は、これらのDPCから分泌されるエクソソームを超遠心や精製試薬を用いて精製し、得られたエクソソームの特性が精製方法で違いがあるのかを評価・比較解析した。結果として精製方法で精製されるエクソソームに違いがあるのではないかと思われる。そこで超遠心法にて精製したDPC由来エクソソームをin vivoにおいてマウス歯周炎モデルに投与した。結果はDPC由来エキソソームが歯槽骨吸収を抑制し、破骨細胞形成を有意に抑制していることを報告してきた。 我々は、他に以前から線維芽細胞成長因子 2(FGF2)で刺激した DPC がマウス脊髄完全損傷モデルにおいて運動機能を回復することを報告してきた。マウス脊髄完全損傷モデルやマウス歯周炎モデルの機能の殆どが分泌細胞由来のエクソソームに含まれる mRNA や miRNA が関与する可能性が考えられる。そこで本研究では、FGF2 で刺激したDPC由来エクソソームよる遺伝子発現の変化や機能を解析し、歯周炎などの炎症性疾患モデルでの効果に違いがあるかを検証し、今後の臨床応用に向けたエクソソームの評価指標をみつける。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまではDPC由来エクソソームの精製方法に超遠心法を用いてきたが、超遠心機の老朽化により精製方法の変更が必要になり、エクソソームの性状解析や投与量の再検討等が必要になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
・ 同一ラインの継代数の違いおよび FGF2 刺激よる歯髄細胞エクソソームの比較検討 (1)継代数の違いおよび FGF2 刺激よる歯髄細胞(DPC)エクソソームの性状解析 :複数の保有している歯髄細胞(DPC)ラインより性別、年齢を あわせ3ライン以上を用意し、各ラインで DPC を継代(P)し、いくつかの継代点(P5、 P10、 P15 など)で FGF2 刺激の有無で、DPC からエクソ ソームを精製し、骨芽細胞 や破骨細胞などに対する細胞増殖能、遊走能および発現する mRNA/miRNA 発現につ いて調べ、継代間・FGF2 有無 で違いがあるか比較検討する。(2) in vivo 歯周炎モデルへの DPC エクソソームの効果検討: 歯周炎モデルマウスに1で精製した DPC エクソ ソームを投与し、抗炎症・骨吸収抑制 等の作用についてマイクロ CT、病理解析および発現遺伝子について比較検討する。
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Causes of Carryover |
超遠心機の老朽化に伴い実験計画を変更した。超遠心法から試薬によるエクソソームの精製に切り替えるため、各種メーカーを検討したが、その際に納品期間がかなりかかるものもあり実験計画に遅れが生じた。そのためマウスを用いた実験については次年度に延期となり、次年度使用額についてはその予算を使用して実験計画をすすめていきたい。
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Research Products
(6 results)